【産業天気図・損害保険】回復基調続くが2極化進む。再編第2幕が始まる公算も

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東京海上日動火災保険(ミレアホールディングス<8766.東証>傘下)、損保ジャパン<8755.東証>、三井住友海上火災保険<8752.東証>、あいおい損害保険<8761.東証>、日本興亜損害保険<8754.東証>、ニッセイ同和損害保険<8759.東証>、富士火災海上保険<8763.東証>、日新火災海上保険<8757.東証>、共栄火災海上保険<非上場/JA共済連傘下>の主要損保9社の前06年3月期の保険引受利益は、上陸台風が観測史上最多の10個に達し収益が圧迫された05年3月期の510億円の赤字から、459億円の黒字へと回復した。
 正味収入保険料も火災保険が3.1%増収、主力の自動車保険も0.2%と微増だが4期ぶりの増収を確保し、全体でも1%の増収に転じた。特に自動車保険は無事故割引の進行などから保険料単価の下落が続いてきたが、補償充実型商品の伸びなどから上昇に転じており、今07年3月期も回復基調は続く公算大。資産運用収益面を考えれば、金利の先高感もプラスに働く。
 が、前期も日本興亜、ニッセイ同和、富士火災、日新火災の4社は減収に陥るなど、上位損保と、それ以下との「2極化」の様相は強まっている。折しも保険金の支払い漏れに対し金融庁が損保26社に出した業務改善命令では、商品開発体制の見直しの必要性を指摘しており、新商品開発力が競争力を左右するウエイトが高まっている。また、東京海上日動が中核のミレアは9月末に日新火災を完全子会社化(上場廃止予定)、あいおいはCCC<4756.東証>、SBIホールディングス<8473.東証>、アドバンスクリエイト<8798.大証ヘラクレス>とそれぞれ損保会社の新設に乗り出したように、販売チャネルを広げる動きが活発化する一方、損保ジャパンは保険金の支払い漏れの他にも保険業法の違反行為が多数認められたとして損保商品販売の2週間停止などの厳罰が下された。今後は、4月の保険業法改正で新たに認められた少額短期保険業者などを通じて商社や流通業者などが損保業に参入するケースも増えると予想される。競争環境がさらに厳しくなる中、今後数年以内に上位損保も含めた“再編第2幕”が始まる可能性は高い。
【岡本享記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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