パスコ超熟「60ミリの子ネズミ混入」対応の成否 誠実ゆえに、消費者に過度の想像をさせた
企業の不祥事対応では、迅速かつ誠実な対応が求められる。情報提供が時機を逸する、もしくは「消費者を軽視している」と思わせてしまうと、一気に企業イメージの低下につながる可能性があるからだ。そして、そうして失った信頼は、なかなか回復できないものでもある。
しかし時には、誠実な対応が、むしろ逆効果となり、消費者に過度な不安を与えてしまう場合もある。昨今話題になっている、敷島製パンの「超熟」異物混入事案は、そうしたケースと思われる。
筆者は10年以上にわたり、ネットメディア編集者として、企業が公式サイト上で発表するプレスリリースを眺めてきた。そうした経験からしても、ここまで真面目さが裏目に出てしまうことは珍しいと感じる。何がネガティブイメージの要因となったかを考えてみよう。
生産したパンに異物が混入
「Pasco(パスコ)」のブランド名で知られる敷島製パン(名古屋市)は2024年5月7日、パスコ東京多摩工場(東京都昭島市)で生産した「超熟山型5枚スライス」に、「異物(小動物らしきものの一部)」が混入していたと発表した。
異物が混入していた商品は回収完了しているものの、同じラインで製造された商品も回収するうえ、原因究明と対策強化のために、当該の製造ラインを当面休止すると発表。なお、その時点で健康被害等の報告はないとした。
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