少女の壮絶人生演じる「河合優実」に見た芯の強さ 不適切にもで話題、新作の「あんのこと」への想い
――順調にステップアップしてきた5年間でしたか?
そうですね。関わらせていただいた作品を振り返ると、本当に恵まれていると感じます。ステップアップできたこともそうですし、自分がちゃんと愛情と興味を持てる作品に出会えてきたことをとても幸せに思います。
――『不適切にもほどがある!』の純子役は、キャリアのひとつの転機になりましたか?
なったと思います。いままで以上にたくさんの人に知ってもらえたのは間違いないですし、どこに行っても声をかけていただけるようになったのはうれしい変化です。
すごくいい風が吹いたのはキャリアのうえでもよかったこと。『ふてほど』がきっかけで今回の映画を見てくれる人がいるかもしれない。それがまた次の作品にもつながっていくとうれしいです。
『不適切にもほどがある!』から得た学び
――『ふてほど』から得た学びや発見はありましたか?
たくさんあります。たとえば、ジャンルとしてのコメディのお芝居の形がありますが、そこから入ろうとすると感動が生まれないんです。コメディのなかで、ちゃんと筋を通して1人の人間を演じるから、その姿から笑いや感動が生まれることに気づきました。私たちはいつも宮藤官九郎さんの物語を通して見る人物に笑って、感動している。演じ手としてすごく勉強になりました。
――これまでの女優人生でコンプレックスに悩んだこともありましたか?
18歳でこの仕事をはじめたときに、すごく遅れたスタートだと感じていました。18歳ですでに活躍している子たちがたくさんいて、みんな子役からずっとお芝居を磨いてきたのに、私はそれまでふつうの小学生、中学生、高校生として生きてきました。
芸能事務所の面接に行くと、ふつうに過ごしてきたことが演じるうえで糧になるということを、自分に言い聞かせていた部分があって。初めてのオーディションでは、同年代の魅力的な子たちがあまりに大勢いたことがカルチャーショックで、ここで選ばれなくても別にいいや、この日の運でしかないから、と自分が傷つかないように気持ちを切り替えました。
最初の頃は、この世界に入ったのが遅いことがコンプレックスになって、それを言い訳にして自分が傷つくのを避けていた感じがあります。
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