魚の獲りすぎをやめないと、日本の魚は枯渇する 2050年に漁獲量ゼロ?墜ちた漁業大国ニッポン
昔は世界に行き、好きなだけ獲ってこれた
なぜ日本がここまで落ちてしまったのか。歴史的に見るといくつか複合的な原因が考えられる。
まずは遠洋・沖合漁業からの後退だ。かつて日本は「公海の自由」の原則の下、世界のどこにでも行き、好きなだけ魚を獲ってこられた。獲れなくなったら別な漁場へ行く。そんな漁業だった。ところが、米と旧ソ連(現ロシア)が1977年に200カイリ水域を設け、その後、世界の沿岸各国もEEZ(排他的経済水域)を設定。日本も大きく方針転換せざるをえず、遠洋漁業や沖合漁業からの後退を迫られたのである。
ほかにもある。マイワシといった固有の魚種の激減や、近年では地球温暖化に伴う海水温上昇などもそうだ。「サンマが減ったのは公海上で中国や台湾の大型漁船が大量捕獲したからだ」。ある漁業協同組合の幹部は外国漁船による乱獲を理由に挙げる。
トピックボードAD
有料会員限定記事
ビジネスの人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら