資産1.8億投資家が伝授「日本の優良企業100選」 「世界シェア1位」鳥取県のニッチ企業とは?

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一般的に、サイクルには次の4つの段階があると言われています。

①導入期:製品やサービスを市場に投入した直後の段階です。需要や売上が小さく、消費者の認知を高め、市場拡大させることが最優先課題となります。広告宣伝費もかかるため、利益はほとんど出ません。
②成長期:市場規模が成長し、売上と利益が急拡大する段階です。次第に競合他社が市場に参入して競争が激しくなります。消費者のニーズも多様化するため、差別化により自社製品のブランド力を高め、市場に浸透させることが重要となります。
③成熟期:製品やサービスが広く顧客に行き渡ることで市場の成長が鈍化し、売上が頭打ちになる段階です。その一方で、この段階では、導入期や成長期のように広告コスト等もかからないため、利益は最大化されます。
④衰退期:市場規模が縮小し、売上や利益が減少していく段階です。競合他社は、新たな市場を探し撤退していきます。

パイロットは「ドクターグリップ」や「フリクションボール」などのヒット作だけでなく、数多くの新商品を市場に投入しています。

プロダクトライフサイクルの観点から、常に新しい商品を開発し続けていく必要があるためです。

このたゆまぬ努力が多くの商品カテゴリーでの事業展開を可能とし、世界中で販売することで業界トップクラスの安定した経営基盤を築くに至っています。

パイロットは、10年以上にわたり減配をおこなっておらず、2015年12月期以降は毎年の増配を継続しています。

ここ数年、配当利回りは1%半ば~3%弱で推移していますので、配当利回りが3%に近づいた際には投資を検討してみるのもいいでしょう。

センサ事業に集中戦略・日本セラミック(6929.P)

日本セラミックは、鳥取県に本社を置く赤外線センサで世界シェアトップのメーカーです。赤外線センサの他に、超音波センサにおいてもセンサ業界では世界的な知名度を誇っています。

鳥取県に本社を置く企業としては初めての株式上場企業であり、研究開発拠点も鳥取市に置いています。営業拠点は日本の他にアメリカ、イギリス、香港にも置いており、グローバルに営業活動をおこなうことで、海外売上高比率は40%を超えています。

日本セラミックの製品を直接的に目にすることは少ないと思いますが、日常生活で知らず知らずのうちに利用している人がほとんどでしょう。

赤外線センサはエアコンにも実用化されており、人の居場所や床温度を検知して、風向きや温度を制御しています。防犯の分野では、人感センサとして侵入者を検知し、警報や照明の点灯などにも使われています。

日本セラミックの有価証券報告書から経営指標等の数値を確認していきましょう(下図)。

(図:『【超完全版】フルオートモードで月に31.5万円が入ってくる「強配当」株投資 経営戦略から“ほぼ永遠に儲かる企業”を探す方法』より)

売上高はコロナ禍の影響を受けて減少した時期もありましたが、長期的には増加傾向です。経常利益も減少した時期はあるものの、長い目で見れば右肩上がりと言えるでしょう。

利益率は業績が悪化した時期にも15%以上を確保しており、競争力を有することの証左となっています。配当金は、過去には減配を余儀なくされたこともありましたが、全体としては増加傾向です。

次ページ競争相手に打ち勝つための3つの基本戦略
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事