資産1.8億投資家が伝授「日本の優良企業100選」 「世界シェア1位」鳥取県のニッチ企業とは?
ぜひとも身につけて、今後の長い投資人生に役立てていただければと思います。
あのフリクションを開発したパイロットコーポレーション(7846.P)
パイロットコーポレーションは、筆記具の単一ブランドでは世界No.1の売上を誇る筆記具メーカーです。
海外進出は1926年と早く、現在では世界190カ国以上で販売されています。海外売上高比率は70%を超えており、その売上高も日本国内、アメリカ、ヨーロッパ、アジアへ幅広く分散され、バランスのよい安定的なグローバルポートフォリオを構築しています。
パイロットの有価証券報告書から経営指標等の数値を確認していきましょう(下図)。
売上高や経常利益はコロナ禍の影響を受けた2020年には大きく減少したものの、その後は回復基調でビジネスの堅牢さをうかがい知ることができます。利益率も、コロナ禍においては下落を余儀なくされましたが、それでも15%以上を維持しています。
これは製造業としてはかなり高い水準。ビジネスにおいて競争力を維持していることが読み取れます。配当は増加傾向です。
株主還元方針について、「安定した配当の成長の実現を図るとともに、30%以上を目指す」としています。もちろん、利益成長が前提とはなりますが、増配を強く意識しており、株主還元にも積極的な企業と言えるでしょう。
自己資本比率は上昇傾向にあり、現在は70%以上と極めて健全な財務状況となっています。営業キャッシュ・フローはプラスで推移しており、手元キャッシュも潤沢にあり、事業基盤は盤石です。
パイロットは既存事業の強みを堅持しつつ、海外事業を拡大していく戦略を採用しています。
また、筆記具で培った技術を活かした新規事業を創出・成長させることで、非筆記具事業の売上高構成比を25%に拡大し、第2の柱とすることを目標としています。
みなさんは、企業が既存領域の強化だけでなく、新規事業を創出していくのはなぜだと考えますか?
その理由は、どんなに優れた製品やサービスであったとしても、その競争力が長期間にわたって維持されることは極めて稀で、何もしなければ衰退してしまうのが世の常だからです。
「市場へ新しい製品を投入して、その製品の競争力が失われる前に、また新たな製品を投入する」というサイクルの繰り返しで、ビジネスは継続性のあるものとなっています。
ちなみに、このような製品やサービスが市場に投入されてから撤退するまでのプロセスを体系的にまとめた理論があり、マーケティング(※顧客の課題を把握し、価値を提供する企業活動のこと)の世界では、プロダクトライフサイクル(PLC:Product Life Cycle)と呼ばれています(下図)。
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