「苦手な人や嫌いな人」とあえてすべき1つのこと 同じお皿の料理をシェアするとさらに効果的

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どんな作業かというと、最初の2回は、ペアになった人が痛い思いをする(右手の親指の爪を万力で締めあげて強い圧を加える)のを眺め、3回目は自分自身が同じ痛い思いをするのです。

この作業をしているときの脳の活動を、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)という装置で調べてみると、愛他性の高いグループでは、自分が痛い思いをするときだけでなく、ペアの人が痛い思いをしているのを眺めているときにも、「島」と呼ばれる痛みを司る領域が活性化しました。

つまり、愛他的な人は、知らない人の痛みも、我がことのように感じるということが明らかにされたのでした。

相手の立場で物事を考えれば「空気」も読める

比較グループの人は、知らない人が苦しんでいるのを見ても、「ふうん、だから何?」としか感じられませんでしたが、愛他性の高い人はそういうことはできません。自分も同じ痛みを感じるのです。

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人に親切にしたいのなら、いつでも相手の立場で物事を考える訓練をするといいですね。「この人は、今、どういう気持ちなのだろう?」と考えながら付き合うようにすると、少しずつではあっても、相手の気持ちに共感できるようになります。相手の表情から、うれしいのか、悲しいのか、怒っているのかなども、正確に読み取れるようになります。

「空気が読めない人」という表現がありますが、心理学的にいうと、空気が読めない人は、相手の気持ちに共感できない人であり、愛他性の低い人です。

こういう人は、普通の社会生活を送るうえでも非常に苦労をします。何しろ、他の人への気遣いができませんからね。

知らないところで、相手を傷つけたり、配慮のない言葉遣いをしたりしてものすごく嫌われます。

社会生活を送るうえで、相手の気持ちを敏感に察知できることは、だれにとっても必須の能力ですから、ぜひ相手の立場で考え、共感性を磨いてください。相手の感情を、我がことのように感じられるようになれれば完璧です。

内藤 誼人 心理学者、立正大学客員教授、アンギルド代表取締役社長

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ないとう よしひと / Yoshihito Naito

慶応義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会心理学の知見をベースに、ビジネスを中心とした実践的分野への応用に力を注ぐ心理学系アクティビスト。趣味は釣りとガーデニング。著書に『世界最先端の研究が教えるすごい心理学』(総合法令出版)、『いちいち気にしない心が手に入る本』(三笠書房)、『図解 身近にあふれる「心理学」が3時間でわかる本』(明日香出版社)など多数。その数は200冊を超える。

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