成田空港の滑走路そば「東峰神社」予想外の現在 機動隊員3名が殺害された「三里塚闘争」は今…
たしかにすぐ横が成田国際空港なんだから、飛行機を見るには絶好の場所だろう。ただ、いい大人がわざわざ飛行機見たって何とも思わないだろうに。立ち去ろうとも思うが、その男性が、「あと5分で来るよ」と言うのでとりあえず待つことにした。
子供が「まだかな? まだかな?」とワクワクしている。飛行機でワクワクするなんて、こいつまだガキだな……と思っていると、キーンというジェット音が聞こえてきた。
その刹那、ぐおおおおおおっと本当にすぐ目の前を飛行機が通り過ぎていった。巨大な塊が迫りくる臨場感が半端ない。
「すげー! すっげー!」
と思わず声が出た。めっちゃワクワクした。急に満足感で満たされた。
初詣をした6日後に、韓国に行くことになった。海外旅行は2020年2月以来だ。
前回も韓国で、ちょうどパンデミックが発生した翌日に渡航した。ずっとピリピリした雰囲気だった。その後本格的なコロナ禍になってしまい、海外にも行かなかった。
ちなみに最後に韓国旅行をした時には西荻窪に住んでいたのだが、その後すぐに東村山に引っ越した。東村山からの海外旅行は初めてだった。少し、空港までの距離は遠くなった。つまり空港まで行くのに時間がかかる。
はっ、としてスマートフォンで、乗換案内を調べる。飛行機が早朝便だったので、始発でもギリギリだ。電車一本逃したり、遅れたりしたら、搭乗できなくなってしまうかもしれない。
「しかたない、前乗りするかあ……」
と思ってホテルを探し始めたが、
「待てよ……。空港って閉まらないはずだから、適当に中にいられるんじゃない?」
と思い直す。
空港内で夜を明かすことに
スティーブン・スピルバーグ監督の映画「ターミナル」はクラコウジア人のトム・ハンクス演じるビクター・ナボルスキーがジョン・F・ケネディ国際空港の国際線ロビーに居続ける話だった。日本だって一日くらいいけるだろ? と思い、出発の前日の夜に空港に向かった。
22時過ぎの空港にはまだ人がいたが、やがて潮が引くようにどんどん静かになっていった。
とりあえず、ウロウロ歩いてみる。地下1階から上層に登っていく。
3階は搭乗手続きをする場所だ。人はほとんど残っておらず、ロボット掃除機が自分の仕事をこなしている。空港をゆっくり見たのは初めてだった。いつか漫画やルポの資料に使えるかもしれない、と思いパシャパシャと写真を撮る。
4階は出発前に立ち寄るレストランなどが並ぶエリアだ。店舗の大半は営業していなかった。
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