成田空港の滑走路そば「東峰神社」予想外の現在 機動隊員3名が殺害された「三里塚闘争」は今…

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「神社に向かおうとすると警察に厳しく職務質問される」

「監視している運動家がいて問い詰められる」

などと噂を聞いていたから、ワクワクしながら神社に向かった。

神社へ行く途中で見かけた農地の前には

「第3滑走路粉砕!」 

「強制収容実力阻止」

「NO FARM,NO LIFE.農地死守」

などなど剣呑な看板や旗が立っていた。

神社入り口に到着したが、道路の周囲は全部白い鉄の塀がはりめぐらされている。神社までの道は白い塀しか見えず、まるで豪雪地帯の雪の壁に挟まれた道路を走っているような気分になってくる。かなり異様だ。

想像と違う光景…なぜこんなに人が?

塀の狭間を進んで行くと、意外なことに何台も車が停まっていた。

「初詣に来てるんですかね?」

「初詣に?   わざわざこんな場所に?   そんなのどんな人ですか?(笑)」

などと自らの行動を全否定する会話をしながら進んでいくと、道のどん詰まりは広場になっていた。

神社自体は小さく、比較的新しい石の鳥居があり、その奥に祠があるだけだ。コンクリ製の石畳には「2004・4・15」と刻印してあり、祠の前には小さい賽銭箱が置かれていた。手水の場所はあったが機能していない。神社を出た場所には古井戸のようなものがあったが、鉄網で囲われていた。

神社の周りには、10人くらいの人がいた。

「貴様、誰だ」

などと怒鳴られたかったのだが、警察にも運動家にも吠えられなかった。家族連れや友達同士の、いたって和やかで穏やかな雰囲気だった。

広場の真ん中には柴犬が肛門丸出しで座っていて、みんながキャッキャ言いながら写真を撮っていた。

普段は新興宗教に突撃して怒り心頭の信者の写真を撮っている藤倉さんも、

「お〜かわいい、かわいい」

とか言いながら柴犬を写しはじめた。

「……なんか違う」

怒鳴り声、ピリピリした空気、そんな修羅場を期待していたのに、想像と違いすぎて思わず苦悶の表情になってしまった。

しかし、みんななんでわざわざ正月から、こんな神社に来てるんだろう?

「ここは飛行機を撮りに来る人が多いよ」

ダウンジャケットを来た中年の男性に教えられた。

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