「東大生の就職」コンサル選ぶ"身も蓋もない"理由 今と昔で違ってきた「賢い」ということの基準

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正社員より給料が安い非正規雇用者が増えれば、当然、社会全体の購買力は落ちることになる。それはつまり、別の会社のつくった商品やサービスを利用していた顧客の収入が減って、購買しなくなるということである。こうしたことが積み重なっていけば、そのうちに日本全体で物品が売れなくなり、景気は悪化していく。

そして企業が「売れないから」という理由で値下げをすれば、値下げをした分をさらに人件費削減で補うことになる。

正社員であっても、景気が悪くなって会社の収益が落ち続ければ、いつまでも同じような待遇ではいられない。明日にも減給やリストラの対象となるかもしれず、そんな状況では将来設計もできないから大きな額のローンなどは怖くて組めない。余計な買い物もできず、少しでも貯金をしようとして、さらに財布のヒモは固くなる。

いわゆる"失われた30年"の間、日本の多くの会社でこのようなことがずっと繰り返された結果、日本はデフレスパイラルへ陥っていった。

そうなったとき、問題解決のためにどうにかするのが政治の役目である。個々の会社の利益や個々人の賃金が総体としてベストの状態になるように経済対策を政府が実施していくわけだ。

正社員を全従業者の何割以上にしなければいけない、非正規社員はなるべく雇わないようにするなどの対策が考えられる。そのような「たが」をはめることによって、国全体の景気を沈下させないようにしていく。政府には本来、そういう役割があったはずなのだ。

ところが竹中・小泉路線が始まってから、政府はその役割を放棄した。それどころか政府は「雇用の流動化」などといってリストラを応援するようなことをやり始めた。これもまた日本の景気低迷の大きな原因の1つとなった。

「コンサル」が東大生の人気就職先に

ここ数年、東大生の就職先として、マッキンゼー・アンド・カンパニーなどの外資系コンサルタント会社が人気なのだという。

かつて東大の法学部では、首席で卒業した学生は日本銀行へ入り、次席は大蔵省(現・財務省)へ入るというルートがだいたい決まっていたそうで、三島由紀夫も次席で卒業すると大蔵省に入省している。

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