非課税の政治資金はすべて使途を明らかにすべき 裏金事件を受けた政治資金規正法の改正めぐり激論
山岸一生氏(立憲民主党政調会長筆頭補佐):全く不十分だと言わざるを得ない。いま巨大な一つのブラックボックスになっているのが問題なのだが、これを単に4個か5個のブラックボックスに小分けするというだけの話だ。まったく公開になってないし、国民の求めているものになっていない。われわれはそもそも廃止すべきだと言っている。仮に残すとしても、国民から託されている、非課税の特権を受ける政治資金である以上、基本的には全て明らかにすることを大原則にしていく。これが出発点だ。
片山さつき氏(自民党政調会長代理):まず一つの大きな誤解がある。自民党の政策活動費は自前で集めてきた金だ。いわゆる政党交付金という税金はその中に入れてない。
幹事長が一番大きな支出を受けるので、幹事長がそれ(使途の報告)を書くことになるのが一番多いのだろう。いつ、どこで誰とそういう会議をやった、相手(の氏名)も出せ、となると、幹事長は党のナンバーツーだから、外交的にそういうことがわかっていいのかということもある。選挙区によって強弱もあるため、当然(支出額も)違ってくるが、そういうものが全部(表に)出ていいのか。
非公開かつ非課税という金をなくす
玉木雄一郞氏(国民民主党代表):この期に及んでこんな(与党)案しか出せない、そしてそれを自民党は了承した。まず、その危機感(のなさ)がわからない。今回の本質は「非公開かつ非課税という金をなくそう」ということだ。もし非課税の恩恵を受けたいのであれば、それが政治活動に使われたという証明をきちんとしなければいけない。証明できないのであれば、つまり公開しないのならきちんと課税対象にしようということだ。
税であろうが寄付であろうが一緒だ。ここをきちんとやろうというのが今回の本丸。政策活動費に加えて、文書交通費(旧文通費)もそうだ。非課税かつ非公開という国会議員にしか認められない恩恵をなくしてオープンにしようということだ。それなのにまだこんなところで行ったり来たりしてること自体、国民から見たら「自民党何やってんだ」ということだ。私は先週、公明党の山口那津男代表に「こんな案だったら乗らない方がいいですよ」と言った。
「(自民党との間で)変な与党案を、法案をまとめるのではなく、平場でやりましょう。われわれ野党も入れてやらないと本当に(自民党と)同じ穴のむじなとみられますよ」と直接伝えた。政治全体に対する不信感をどう払拭(ふっしょく)していくかという党派を超えた課題だ。こんなことであっち行ったりこっち行ったりするのはもうやめませんか。