結婚できる高所得層・できない中間層の残酷格差 女性が求める男性の年収と実際の年収の乖離

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しかし、前述した通り、実際500万円以上稼ぐ未婚男性は1割程度に過ぎず、500万円以上の相手を望む未婚女性43%のうち、その目的を達成できるのは、ごくわずかです。

ちなみに、それぞれの希望年収と実際の年収の中央値を比べてみると、女性の場合は、求められる年収中央値305万円に対して実際の年収中央値290万円とその差は15万円程度と微差です。が、男性の場合は、求められる年収中央値475万円に対し実際の年収中央値317万円で、その差は158万円もあります。

これだけ乖離があるのだから婚姻数が減るのも道理です。特に、出生に直結する話でいえば、20代の婚姻数の減少が深刻です。29歳までの婚姻数(初婚+再婚)は10年間で男性で37%減、女性で39%減です。

結婚における女性の「上方婚志向」

こうした現実をふまえて「婚活女性も相手の希望年収を下げよう」という声もあがるのですが、実際当の婚活女性にしてみれば、夫となる相手の年収は、結婚後の生活のベースとなるものであり、また、結婚した後、出産・子育てステージに入った場合に、退職や休業を余儀なくされて、夫の一馬力にならざるを得ない可能性も考慮すれば、そこは譲れないポイントでしょう。

それでなくても2015年以降、「結婚と出産のインフレ」が顕著になり、「お金がなければ結婚も出産もできない」という状況に陥っているからです。(参照→日本の若者が結婚しなくなった「本当の理由」

これを、結婚における女性の「上方婚志向」と言います。上方婚とは、女性が結婚相手に対して自分より収入が上の相手を求めるという志向です。
別に、圧倒的なお金持ちの男性を希望するという非現実的な「玉の輿」願望ではなく、結婚後の経済生活や子育て等を考えた際に、「せめて自分の年収よりも高い男性と結婚したい」というきわめて現実的な要求です。

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