外国人観光客に高い料金「二重価格」設定は差別か 円安で過熱するインバウンド消費を逆手に取る?
障害者割引もよく見かける。また地域の自治体が運営する施設(博物館や入浴施設など)では、地域住民は安く、他の地域からの訪問客には高い料金を設定していることも多い。
最近ではシルバー割引を見かけることも増えた。これらを差別的な二重価格と感じる人はほとんどいないだろう。なぜかといえば社会政策的、合理的な理由があると考えられているからだ。
一方、「レディースプラン」「レディースデー」などと称し、女性にだけ安い料金を表することに対しては批判的な声が上がることもある。価格を男女で区別するのは差別で許されないという意見だ。
しかし、「マーケティングの1つで事業者の自由だ」、「統計的に女性の方が収入が低いので問題ない」という肯定意見もある。「レディースデー」だけあるのは問題という認識があるのか、「メンズデー」も設けたレストランなどを見かけたことがある。
JRは外国人向け格安乗り放題パスを用意
では、日本人と外国人で料金に差をつける例はあるだろうか。思い当たるのはむしろ外国人を安くする「ジャパン・レール・パス」だ。外国から日本を観光目的で訪れる人が購入できる格安の全国のJR乗り放題パスだ。新幹線も乗り放題だ(のぞみ号、みずほ号は別途料金がかかる)。
あまりにも安いことに対して批判もあり、最近値上げしたが、それでも普通車用が7日間で5万円だ。このように、外国人向けが高くなる料金設定は、これまで日本ではあまり見かけなかった。
海外ではどうであろうか。筆者自身の経験では台湾のホテルで外国人と自国人との二重価格に接したことがある。ただし、そこでの表記は「自国民優遇料金」だった。自国民である証明書の提示で優遇料金となる。外国人価格を高くするのではなく、自国民価格を安くするという形だった。
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