テスラの今後は「天国か地獄」極端な意見の訳 「テスラ株価急騰」の先にあるもの

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マスクは今回の騒動に対し、「テスラはスーパーチャージャー・ネットワークの拡大を計画しているが、新規設置のペースは遅く、100%の稼働率と既存設置場所の拡大に重点を置いている」とXに記した。

次から次へと出てくる一連の衝撃的な見出しは、投資家を含めたテスラウォッチャーを呆然とさせ、混乱させている。ある人は、テスラは「レールから外れつつある」と語る。一方で、モルガン・スタンレーのアナリスト、アダム・ジョナスは、株価目標を1株320ドルとし、第1四半期決算がきっかけとなった最近の安値の2倍以上とみる。

「両極端な意見」がある理由

どちらの見方が正しいのだろうか?テスラ株が伝統的に跳ね返ることを考えると、皮肉な答えは「両方」かもしれない。

両極端な意見には確かに理由がある。ジョナスによれば、中国での取引は非常に重要であり、彼はまた投資家向けの報告書で「モビリティ(ロボットタクシー)とネットワークサービスにおけるより速い採用率を通じて」テスラの市場価値は5億ドル跳ね上がる可能性があると強調した。

しかし、アナリストのアブエルサミッドなどは、ロボタクシーが開発され、そして規制当局の承認を得ることができるタイミングについて非常に懐疑的だ。特にテスラの洗練とはかけ離れているオートパイロットやFSD技術に関連する「安全上の懸念を考慮すると」。

実際、アメリカの道路交通安全局は先月、オートパイロットの調査を打ち切ったものの、「重大な安全性のギャップ」があるとし、現在進行中のオートパイロットのリコールを追認するとしている。

なかなか解消されない頭痛の種はまだ他にもある。サイバートラックは当初の期待に応える兆しをほとんど見せていない。トヨタ、フォルクスワーゲン、GMのような既存メーカーだけでなく、2023年10〜12月期(第4四半期)に世界全体でテスラを上回ったBYDのような中国からの積極的な参入もある。

さらに、テスラが2024年4〜6月期(第2四半期)の業績が不振だった場合、ウォール街の弱気なクマが再びテスラのジェットコースターを支配することになるかもしれない。次はどこまで下がるかわからない。

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ポール・アイゼンシュテイン 自動車ジャーナリスト

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Paul Eisenstein

自動車ウェブマガジン「TheDetroitBureau.com」発行人兼編集長。NBCやCNBC、エコノミスト、自動車業界専門誌などに記事を提供するほか、、North American Car and Truck of the Year(NACTOY)の審査員や、Automotive Press Associationの理事及び前会長も務める。

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