「突き抜けた目標」を持つからこそ見える境地 世界が注目する「内視鏡AI」創業者の行動哲学

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
医者
世界から熱い注目を浴びている「内視鏡AI(人工知能)」を開発したのは、地方都市の開業医だった多田智裕氏だ(写真:Graphs/PIXTA)
今、日本発の技術である「内視鏡AI(人工知能)」が、世界から熱い注目を浴びている。
開発したのは、埼玉で日本トップクラスの検査数を誇る内視鏡クリニックの院長だった多田智裕氏だ。診療を通じて「ある疑問」を抱き、スタートアップ「AIメディカルサービス」の起業に至った。
同社はダボス会議の世界経済フォーラムで「最も有望な企業100社」にも選出されている。
「埼玉から世界を目指す」と言う多田氏の行動哲学とは? 2024年5月に発売した著書『東大病院をやめて埼玉で開業医になった僕が世界をめざしてAIスタートアップを立ち上げた話』から抜粋・編集してお届けする。

内視鏡画像診断AIで起業

「がんにかかったら、おしまいだ」

東大病院をやめて埼玉で開業医になった僕が世界をめざしてAIスタートアップを立ち上げた話
『東大病院をやめて埼玉で開業医になった僕が世界をめざしてAIスタートアップを立ち上げた話』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

そう思っている人が、まだまだ日本では少なくないようです。しかし実は、消化管のがんは早期発見し、その段階で治療すれば、助かる病気になっています。ただ、発見が遅れると、生存率は大きく下がってしまいます。大切なのはいかに早く発見するか。そのために有効なのが、内視鏡検査(胃カメラ)です。

しかし、実際に内視鏡検査を行い、胃がんを見つけるのは、人間である医師です。ここで起こりうるのが、残念なことに「見逃し」です。

自治体による胃内視鏡検査では、医師が早期の胃がんを見逃すことがないように、撮影した内視鏡画像を別の医師がダブルチェックする仕組みが取られています。

ダブルチェックを行うことで、早期胃がんの見逃しはかなり減らせます。それでもゼロにすることはできません。ベテランの医師でも見極めが難しい胃がんもあるからです。

次ページ開業医としてのある「問題意識」
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事