「突き抜けた目標」を持つからこそ見える境地 世界が注目する「内視鏡AI」創業者の行動哲学
眼底画像解析と、皮膚がんの画像解析だけです。内視鏡画像に対する研究開発は、世界中どこを探しても報告されていなかったのです。
世界初「ピロリ菌鑑別AI」「胃がん検出AI」に成功
早速、内視鏡AIの研究開発をスタートさせた私たちは、2017年、胃がんの原因とされているピロリ菌の感染有無を鑑別するAIの研究開発に世界で初めて成功。世界への名乗りを上げました。
続く2018年1月には、胃がんを検出する内視鏡AIの研究開発にこれまた世界で初めて成功し、世界の内視鏡医に一気に知られるようになりました。5㎜以上のがんを見つける感度(がんである人をがんだと正しく判定する精度)が98.6%という高い割合だったことも、人々を驚かせました。
この成果を研究開発のみで終わらせるのではなく、実際にがんの早期発見を支援し、救うことができる命を救うところまで進めたい――そのためには、継続して研究開発を続けることができる場所と環境を準備する必要が出てきました。つまり、研究開発するスタッフを集めて会社を設立する、ということです。
クリニックを長く経営してきたとはいえ、スタートアップに関する経験・知識はいっさいありませんでしたが、起業家育成プログラムでスタートアップのノウハウを徹底的に学んだ私は、2017年、埼玉県でAIメディカルサービスを立ち上げます。
よく、一介の地方都市のクリニックの医師が、なぜここまで来ることができたか聞かれることがあります。
一つ言えるのは、とにかく最初から「世界最高水準」を目指していた、ということです。
東京大学医学部卒業後、外科医として5年間の研修を経て、外科専門医資格を取得したあと、2001年から東大大学院で腫瘍学を学び、34歳で卒業、博士号を取得しました。
ここまでは、医師としてはごくごく一般的なキャリアだったと思います。
しかし、そのあと私が選択したのは、クリニックを開業することでした。当時としてはかなり異端の選択だったと思います。
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