中森明菜復帰後の歌唱表情に見る36年前との変化 表情分析家が公式YouTube映像を解説
それは、予告なしにカメラに目線が向けられるときです。1988年当時と比べ、カメラ目線がデフォルトではなく、ポイントを絞った、厳選されたカメラ目線と言えばよいでしょうか。とはいえ、わざとらしさは感じられず、自然な流れの中で目線が向けられているように思われます。
彼女の目線がカメラに向けられるとき、観ている自分が観られている自分に変わる感覚を覚えます。彼女の目力と表現力ゆえでしょう。閉じ気味の瞼で自己対話をしながら歌い上げる彼女が、カメラ目線で、ときにいたずらっ子のような表情を、ときに妖艶な表情を見せます。
いたずらっ子のような表情のときは、ウィンクをしそうでしないギリギリの表情と微笑、そして、指を指す仕草。妖艶な表情のときは、微笑に加え、横目でチラリ。そして、それぞれの指をなめらかかつ巧みに動かし、手招きする仕草をします。
36年と3分40秒の曲
このように見ると、現在の彼女の歌い方のほうが、自身のアレンジが入りながらも、「TATTOO」のメッセージ性が表現されていると考えられます。
2024年現在、デビューから42年、「TATTOO」リリースから数えれば、36年。「【公式】中森明菜「『TATTOO-JAZZ-』」は3分40秒ですが、彼女の歌を聴けば聴くほど、「これは36年と3分40秒の曲なのだな」と思われてくるでしょう。是非、皆さんも何度も聴き、味わってみてください。繰り返し聴くたびに発見があるかもしれません。
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