男子相手に無敗優勝「サッカー女子チーム」の正体 イギリスUー12リーグを制覇した「無敵艦隊」
女子サッカーは急成長中のスポーツだ。イングランドでは、女子サッカーの盛り上がりの多くは、女子代表チーム「ライオネシス」の活躍によるところが大きい。ライオネシスは2022年のヨーロッパ女子選手権で優勝し、男子チームにはいまだ成し遂げられていない偉業を達成。翌年の女子ワールドカップでは決勝進出を果たした。
ライオネシスは、11歳と12歳の少女たちで構成されるクイーンズ・パーク・レディースの目標となる存在だが、クイーンズ・パーク・レディースの選手たちは自らも人々を刺激する存在になりたいと話している。
「ほかの女の子たちが私たちの活躍を見て、サッカーをするきっかけなったらどんなにすばらしいか」とエディス。
女子チームが男子リーグで戦う理由
イングランド南部の海沿いに位置するボーンマスでは近年、女子サッカーへの関心が高まっているとグリーンは話す。複数の年齢層でチームを編成しているこのクラブが約6年前に発足した当時は、チームへの加入を希望する女子選手はそれほど多くなかったという。当時は女子リーグがなかったため、クイーンズ・パーク・レディースは男子リーグでもプレーしていたが、結果は今とは大違いだった。
「最初の数シーズンは、2年間で1勝と引き分けが数試合。かなりきつかった」とグリーンは振り返る。
その後の数年間、選手たちは男女問わず対戦しながらトレーニングに励んだ。チームがU-12のリーグに上がった際、グリーンは地元のサッカー連盟、ハンプシャー・フットボール・アソシエーション(FA)に連絡を取り、若干の躊躇を乗り越えて、女子チームを男子リーグに参加させることに成功した。
「ハンプシャーFAは『やってみよう』と言ってくれた」とグリーン。クイーンズ・パーク・レディースは今シーズンを1位で終えたことで、来季はディビジョン2に昇格することが決まった。そこでは、現在の9人制ではなく、初めて11人制で、より広いピッチでプレーすることになる。
「彼女たちは本気なんだ。できる限り高いレベルでプレーしたがっている」とグリーンは言う。
グリーンは、このクラブで16歳から始まるレディースチームを発足させ、トップリーグに到達するまで昇格を重ねていくつもりだと語った。「それが大まかな計画だ」。
(執筆:Claire Moses記者)
(C)2024 The New York Times
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