宇野:ポイントをあえて言うのであれば、こちらが説明したことに対して、「同じことを言える?」と生徒に質問し、それを答えることができるか・そうでないのかが、カギだと思います。
西岡:「同じことを言える?」ですか。
宇野:例えば、私が何かを説明したとして「なるほど、わかりました!」と答える生徒は多いです。
その後に「じゃあ、私がいま説明したことと、同じことを説明してみて?」と聞くと、生徒たちの反応は大きく3つに分かれます。
1つ目のパターンは、説明することができずに「えっと……」と詰まってしまう場合。この場合は、私の説明をきちんと理解できていない状態です。
2つ目のパターンは、説明することができても、私が話したこととまったく同じように説明してしまうパターン。この場合は、もう少し自分の中で咀嚼する必要がある状態です。
望ましいのは3つ目のパターンです。これは、自分の言葉で説明できる状態です。この場合は、本当に理解していて、テストで出題されたときも、きちんと解答できる状態になっています。
西岡:なるほど。3つ目の、自分で説明できているパターンの生徒が、東大に合格しているということですね。
宇野:できている、ということでもありますし、「自分で言い換えよう」と考えながら授業を聞いたり、人の話を聞く生徒が東大に合格している、という印象があります。
東大は「言い換えられるか」どうかを問う
西岡:僕は以前、『東大ノート。』という本を制作したときに、1000人以上の東大生のノートを研究したのですが、まさしく宇野先生がおっしゃっていたことと同じ特徴を見つけました。
東大に合格している生徒のノートは、決して先生が言っていることの“コピーアンドペースト”ではないのです。
先生が言っていることを、自分なりに言い換えています。例えば「危険性が増加した」と先生が言っていたら、「危険性:増」とか、「↑」など、自分なりの言い方で書き換えている場合が多かったのです。
宇野:そうでしょうね。そもそも東大は、地理という科目も含めて、「言い換えられるか」を問う問題を多く出題する大学ですからね。
西岡:それに関しては、まさに『ドラゴン桜』の漫画の中でも説明されています。東大は「言い換えられる生徒」を求めている、というシーンです。
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