ファーウェイにとって大きな誤算だったのは、中国のスマートフォン大手の小米(シャオミ)がEV参入の第1号モデル「SU7」を3月28日に発売し、自動車業界を震撼させる価格性能比を打ち出したことだ。
SU7のメーカー希望価格は、LiDARを搭載しないベースグレードが21万5900元(約454万円)から、LiDARを搭載する中間グレードが24万5900元(約518万円)から、同じく最上級グレードが29万9900元(約631万円)からとなっている。
「販売台数を稼ぐため赤字販売を決めた」。シャオミの創業者で董事長(会長に相当)の雷軍氏は、それが損失覚悟の戦略的値付けであることを認めた。
シャオミの攻勢を受け、競合メーカーは続々と対抗値下げに踏み切った。例えば国有自動車大手の上海汽車集団傘下の智己汽車は、4月8日に新型EVセダン「L6」を発表。その予約販売価格を、LiDARを搭載しながら23万元(約484万円)からに設定した。
量産トラブルで商機逃す
ファーウェイが奇瑞汽車と共同開発した智界S7も、2023年11月の最初の発表時には競合車種に比べて高い価格性能比を売り物にしていた。
ところが量産の立ち上げに手間取り、せっかくの商機を逃してしまった。財新記者が入手したデータによれば、2023年12月の智界S7の納車台数はわずか784台。その後も納車遅延が続く中、シャオミのSU7が登場したことにより、智界S7は値下げを余儀なくされた格好だ。
内情に詳しい関係者によれば、智界S7の量産がスムーズに立ち上がらなかった背景には複数の要因があった。
そのうちの1つは、プロジェクトの推進を急ぐファーウェイの要求が厳しすぎ、一部の部品の供給が(量産に)間に合わなかったことだ。供給不足の部品のなかには、ファーウェイ製のものも含まれていたという。
(財新記者:張而弛)
※原文の配信は4月11日
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