中国電池CATL「減収でも増益」で光るコスト競争力 過当競争でも販売量稼ぎスケールメリット発揮

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車載電池のガリバーとして不動の地位を築いたCATLだが、その社名の認知度は一般消費者の間では必ずしも高くない。そんな中、同社はEVメーカーとの協業を通じて自社製品の「ブランド化」を図ろうとしている。

CATLは2024年1月、国有自動車大手の東風汽車集団の傘下にある猛士科技(M-Hunter)との戦略提携契約に調印。猛士科技のオフロードEV「猛士917」のボディに「CATLインサイド」と記したバッジを取り付けると発表した。

CATLは顧客企業の製品に社名入りのバッジなどを取り付け、一般消費者へのブランド浸透を図る。写真は中国の建機メーカー、龍工控股の製品に貼られたステッカー(CATLのウェブサイトより)

さらに、通信機器大手の華為科技(ファーウェイ)が国有自動車メーカーの奇瑞汽車と共同開発したEVセダン「智界S7」や、同じくファーウェイが中堅自動車メーカーの賽力斯集団(セレス)と共同開発したSUVタイプのEV「問界M9」についても、車載電池を供給するCATLがプロモーションビデオを公開。その狙いは、「EVを買うならCATL製電池の搭載モデルを」と、一般消費者に印象づけることにある。

アメリカではフォードと提携

CATLにとっては、海外市場のさらなる開拓も重要な経営課題だ。同社の説明によれば、特にヨーロッパ市場での需要拡大を見込んでおり、ドイツに建設した電池工場は2024年中に収支均衡に達する予定だという。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

一方、アメリカでは(バイデン政権が2022年8月に成立させた)「インフレ抑制法」に基づくEV向けの補助金の支給対象から、中国製電池が事実上排除された。しかしCATLは、アメリカ自動車大手のフォードの車載電池工場に技術と生産サポートを提供することで、アメリカ市場に地歩を築こうとしている。

「この(フォードとの)提携方式には、わが社の顧客の自動車メーカーだけでなく、ヨーロッパの電池メーカーも関心を示している」。CATLの経営陣は、決算説明会でそう自信を示した。

(財新記者:安麗敏)
※原文の配信は4月16日

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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