今から家買う人は知らないとマズい「耐震」の真実 過去の大地震の被害データを分析してわかること

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日本の家は5361万戸(住宅・土地統計調査、2018年)存在し、持ち家は3280万戸で約6割を占める。そのうち、旧耐震と呼ばれる耐震基準が低かった1981年以前の建物は約891万戸あり、その中でも2014年以降5年間における住宅の耐震改修工事をしたものは約22万戸で2.5%に過ぎない。

2018年時点の全国の住宅耐震化率は87%で、残りの13%に相当する700万戸の耐震不足住宅が存在しているが、2030年にはおおむね解消することを国土交通省は掲げている。

この700万戸の耐震不足住宅に平均世帯人員2.3人をかけると、最大の被害人数が算出される。1600万人超えである。もちろん、一度に日本中が大地震に見舞われることはないが、それだけの災害予備軍がいることは事実である。

耐震化率とは何か

耐震化率を理解するには、旧耐震・新耐震・耐震等級の3つが必要になる。これらの定義は簡単だ。旧耐震とは、震度5程度の地震で倒壊しないレベルを指す。ちなみに、震度5弱は2008年以降で240回、震度5強は101回起きている。

新耐震でいう耐震基準は、震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、震度6強から7に達する程度の大規模地震でも倒壊は免れるレベルを指す。こうなると、大地震でも一瞬にして倒壊し、圧死することが避けられる。ちなみに、震度6強の地震は2011年以降、すでに15回を数える。熊本地震は4日間に4回起きている。

ここで、注意すべきは、「大規模地震でも倒壊は免れるレベル」という言い回しだ。倒壊はしないが、住み続けることを保証していない。実際、被災地では「全壊」や「半壊」は数多く発生する。阪神淡路大震災では約25万戸が全・半壊で住めなくなっている。

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