「紅麹問題」で再浮上、"サプリ"は本当に安全か? あなたの飲んでるサプリメント、本当に大丈夫?

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「機能性表示食品」は2015年に導入された制度で、当時の安倍晋三首相が「アベノミクス」の一環として規制緩和のために打ち出したものです。

トクホを取得するためにはかなりの時間と費用がかかるため、この「機能性表示食品」という制度は「メーカーにとって福音」ともいえるものでした。

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その反面、「それで安全性が担保できるのか」という不安視する声は当時から出ていました。

まさに私自身も危惧していた一人です。

この制度が導入されて以降、新型コロナウイルスの感染拡大もあり、「機能性表示食品」の市場は大きく伸びています。

2020年には「機能性表示食品」の市場が「トクホ」を抜き去り、拡大が続いています。

「機能性表示食品」というネーミングもまた絶妙です。

「公的なお墨付きのついた健康食品(サプリメント)」と誤解している人も多いのではないでしょうか

一方で、そもそも自分が飲んでいるサプリメントが「特定保健用食品(トクホ)」なのか「栄養機能食品」なのか「機能性表示食品」なのか知らない人も多いと思います。

同じく以前の記事紅麹問題」は"3つの基本、混同してる"人が多すぎだ「"食品"には安全審査がないが、"添加物"は安全審査を通っている」と述べましたが、まったく同じことが「トクホ」と「機能性表示食品」にもいえるのです。

サプリメントを飲むなら、この「違い」と「裏側」をしっかり認識して選ぶことが、まず大事です。

「『自分で調べて選ぶ』という意識」を持つ必要がある

「市販されているのだから大丈夫だろう」「メーカー品だから安心だろう」などと受け身で適当なものを買うのではなく、「『自分で調べて選ぶ』という意識」を持っていただきたいと思います。

広告やイメージで飛びついてしまう、私たち消費者にも問題があるように思います。

本来は、市販されているサプリメントは一般的には安心して飲んでいいもののはずです。

しかし、このような事故が現実として起こっている以上、私たち消費者は「自分で自分の身を守る」という思考でのぞまなければいけないのではないでしょうか

次回記事ではさらに「サプリメントの安全性」について掘り下げていきたいと思います。

 

*このシリーズの1回目➡「紅麹問題」は"3つの基本、混同してる"人が多すぎだ

*このシリーズの2回目➡小林製薬「紅麹問題」結局、何がマズかったのか?

安部 司 『食品の裏側』著者、一般社団法人 加工食品診断士協会 代表理事

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あべ つかさ / Tsukasa Abe

1951年、福岡県の農家に生まれる。山口大学文理学部化学科を卒業後、総合商社食品課に勤務する。退職後は、海外での食品の開発輸入や、無添加食品等の開発、伝統食品の復活に取り組んでいる。NPO熊本県有機農業研究会JAS判定員、経済産業省水質第一種公害防止管理者を務めつつ、食品製造関係工業所有権(特許)4件を取得。開発した商品は300品目以上。

2005年に上梓した『食品の裏側 みんな大好きな食品添加物』(東洋経済新報社)は、食品添加物の現状や食生活の危機を訴え、70万部を突破するベストセラーに。その他の著書に『食品の裏側2 実態編 やっぱり大好き食品添加物』(東洋経済新報社)などがある。

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