イランのイスラエル攻撃でウクライナが嘆く理由 NATO非同盟国への対応の違いが招く戦争リスク

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イランのイスラエルへの直接攻撃への対応は迅速で、先進7カ国(G7)は議長国イタリアのメローニ首相が4月14日夜、オンライン形式で首脳会談を開催し共同声明を発表、攻撃を「最も強い言葉で非難する」と述べた。同時にイスラエルの安全保障への関与を再確認した。当然ながらG7の一員である日本も合意文書に署名している。

ところがイランから原油供給を受け、伝統的友好関係にある日本は、イスラエル寄りのアメリカやイギリス、フランスと歩調を合わせるしかなく、ダブルスタンダードと批判される中、独自外交は展開できていない。さらにG7は、イランの石油輸出や高官を標的にした制裁の検討に入った。イランへの厳しい姿勢が、報復攻撃を検討するイスラエルに自制を促す狙いもあるが、日本は葛藤している。

西側にとって最前線基地でもあるイスラエル

一方、ロシアの攻撃を2年以上受け続けるウクライナに対する西側諸国の姿勢は、明らかにイスラエルへの対応と異なる。イギリスのキャメロン首相は「欧州諸国は大規模な軍事支援を行い、過度にロシアを刺激すれば、戦争のエスカレーションで欧州全域に戦争の危機が広がることを懸念している」と述べている。

さらに欧州内にはユダヤ人コミュニティーとイスラム系コミュニティーが存在し、つねに緊張をはらんでいる。十字軍の時代から続くイスラム勢力と西側諸国の対立は歩み寄れないほどの距離を持つ。イスラム勢力は西側同盟国を敵としてしか見てこなかった。その中で唯一、西側と価値観を共有できるのがイスラエルだ。西側の支援で建国を果たしたイスラエルは、西側にとっては前線基地でもある。

長年のユダヤ陣営のアメリカでのロビー活動もあり、フランスをはじめヨーロッパに広がるユダヤ社会は政界、財界、法曹界、メディアに人を送り込み、強力な影響力を持つ。いざとなれば非NATO加盟ながら、加盟国並みの防衛を行使するシステムが構築されている。ウクライナはもともとソビエト連邦の一部で、NATOや欧州連合(EU)への加盟を希望しているが、背後のロシアの存在をつねに気遣っている。

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