「ガチャで借金200万円」唯一の居場所とその代償 頼りにされている、期待されていると感じた

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課金 ゲーム依存
スマホに保存されたキャラクターの画像。ゲーム依存の治療を始めてからほとんどの画像を削除したが、数枚だけ残したのだという。「このポーズを取らせるのにも課金が必要なんですよ」とユウイチさん(筆者撮影)

借金の返済が滞るようになったところで弁護士に相談をしたものの、親にばれて実家を追い出されてしまう。弁護士には自己破産を希望したが、「ゲーム課金での自己破産はできない」として任意整理を勧められた。今は家賃3万円のアパートで暮らしながら、毎月約3万円の返済を続けている。さらに今年3月末には10年近く働いたパートの仕事を雇い止めになった。両親とは今も絶縁状態だという。

ユウイチさんの話を聞いていて引っ掛かったことが2つある。

1つは、「自己破産はできない」という弁護士の説明だ。たしかにゲーム課金は浪費に当たるとして自己破産が認められないことがある。一方でユウイチさんはゲーム依存専門の心療内科に通い始めたほか、一時的に携帯をガラケーに変えるなどの努力をしている。任意整理を始めてから5年。借金はまだ半分近く残っているといい、生活再建を第一に考えるなら、弁護士は安易に任意整理を持ち掛けるべきではなかったのではないか。

2つめは、パート先での勤務が5年を超えた時点で無期雇用に転換されなかったことだ。会社側から無期雇用になれるという旨の説明を受けた記憶はないという。

私がこれらを指摘すると、ユウイチさんは任意整理をめぐる問題についても、無期雇用転換の法制度についても「知りませんでした」と言った。

「発達障害のための支援を早く受けたかった」

人生をやり直せるとしたら、「小さいころに(ほかの子どもたちと)自分を分けてほしかった」とユウイチさんは言う。発達障害のための支援を早期に受けたかったというのだ。

持論にはなるが、発達障害のある子どもの特性を必要以上に抑え込んだり、薬物治療を施したりすることには疑問がある。ただ「障害のせいでいじめを受ける子どもがいるなら、その前に助けてあげてほしい」というユウイチさんの訴えは切実に響いた。

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