NTTドコモ社長・山田隆持--過去のガラパゴス化を反省、先頭でなく先頭集団狙う

海外企業に積極出資 基地局用に太陽光発電

──海外企業への出資を推進しています。中国の検索最大手、百度(バイドゥ)とは合弁会社を設立します。

百度が持つ携帯電話用のポータルサイトを切り出して、合弁会社を設立(百度80%、ドコモ20%出資)する予定だ。またベトナムでも、モバイルコンテンツ事業者に10億~20億円程度の出資を検討している。

ドコモは、海外では主に通信事業者に出資を行ってきた。現在26%出資するインドのタタ・テレサービシズが代表例だ。だが、今後はプラットフォーム会社やコンテンツ企業に積極出資したい。ネットにアクセスできるスマートフォンの時代に突入し、これらの会社は大きな可能性を持っている。一方で買収金額は非常に安い。タタへの出資金額は2600億円。それよりはケタが二つ程小さい。百度やベトナムへの出資は、そうした戦略に基づくものだ。

──タタ・テレサービシズは利益を上げているのですか。

まだ黒字化していない。第3世代のネットワークを構築している最中で、その投資が先行している。だが、加入者は増えている。すでに9000万契約を超えた。出資を発表した08年11月には3500万だったが、ドコモ(約5800万契約)をあっという間に抜いてしまった。今後インドでもデータ通信が始まり、顧客当たり収入が伸びてくる。3年後には黒字化するだろう。

──ソフトバンクに対抗して、発電事業参入とのうわさもありますが。

全国の基地局に太陽光パネルを設置して、使用する電力を自家発電する「グリーン基地局」構想を進める。停電時にも自前の電力を確保でき、災害に強い基地局作りに貢献するはずだ。将来的には各地の発電量を把握し、基地局間で電力を融通するスマートグリッドも展開していきたい。ただ、発電事業といった大げさなものにはならないだろう。

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やまだ・りゅうじ
1948年生まれ。大阪大学大学院工学研究科修了後、73年NTT入社。NTT副社長、NTTドコモ副社長を経て2008年より現職。大の阪神タイガースファンで、iモードでの試合結果のチェックが日課。

(聞き手:大滝俊一(本誌編集長)、桑原幸作 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2011年7月30日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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