そのきっかけについて宗像氏は、「元々はホテルを建てる際にテナントを探していて、グループということで優先的にお声がけしたと聞いています。結果テナントに決まり、ならば朝食を提供していただき、グループでシナジーを発揮していこう、という話になったのです」と説明する。
つまり、偶発的だったのだ。ちなみに、同じくテナントに入っているという理由から、ライバル的存在であるガストや、居酒屋で朝食を提供しているリッチモンドもあるそうだ。
どて煮から日本酒まで。19ホテル全部違う
ロイヤルホストやシズラーでの朝食もすごいが、リッチモンドは直営レストランで提供する朝食ビュッフェにも、並々ならぬこだわりがある。しかも、ホテルごとに半分はご当地メニューを取り入れているため、提供する19軒それぞれに内容が異なる。
「ぜひ自慢の朝食を体感してほしい」との勧めで『リッチモンドホテルプレミア京都四条』に宿泊したところ、想像を越えた“ご当地の味”に圧倒された。
「にしんと茄子のたいたん」などのおばんざいはもちろん、ライブキッチンで作りたてを提供する京風だし巻きに焼き鯖寿司、聖護院大根や西京味噌のドレッシング。朝食のテーマを「京イタリアン」に設定しており、ゆばのオリーブオイルがけといった創作系メニューも目を引く。他方、鉄板で焼き上げるローストポーク、ミネストローネなど洋食も充実していた。
また各料理は陶芸作家が制作した小皿に盛り分けられており、ゲストが京格子のすかし箱に取り分ける演出も旅情を誘う。なかでも目が釘付けになったのは、3種の「モーニング日本酒」だ。
朝食に日本酒とは、いったい誰が考えたのか。尋ねると、「ご当地メニューは、各ホテルの社員とアルバイトのアイデアを取り入れて、スーパーバイザーを中心に本部のチーフコックが考案しています」との答え。なるほど、現場の声が個性を生んでいるのだ。
そのほかにも、なんば大国町のリッチモンドではたこ焼き、串カツ、どて煮、肉吸い。浅草では、生オレンジにストローを刺して提供する搾りたてジュースにローストビーフと、各ホテルの個性が際立つ。
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