「コスパ主義者」に感じてしまう薄っぺらさの正体 Z世代が気づいていない「コスパ志向」の弱点

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10得るために10を費やしている状況から、それを9、8、7と減らしていくのが費用主義。ところがコスパ主義が行き過ぎると、その7や8がもったいなく感じて、努力を止めてしまう。結果的に得られる成果は0である。

みんな5を費やして10を得ている。じゃあ30費やしてでも15得たら、勝てるんじゃないか? コスパの時代である現代では人気のなさそうな考え方だが、ときにはそういう考え方もアリじゃないだろうか。というか、そういう考え方をしないと勝てない勝負もある。コスパコスパと誰もが標榜する世の中だからこそ、逆に泥臭い結果主義が優位に立つ可能性が高まるのだ。

大事なのは使い分けの妙

ただ、費用主義が悪くて結果主義が良い、と言いたいわけではない。結果主義が先鋭化すると、いずれ「24時間働けますか」と、過重労働を肯定する世の中になっていく。無限にコストをかけられるわけじゃないし、無限にコストを投入するのは愚策でもある。二択にするんじゃなくて、二つをうまいこと使い分ける器用さこそが求められる。

コスパはたしかに大事である。ただコスパのみに傾倒するんじゃなくて、費用主義と結果主義の長所短所を理解して使い分けないと、薄っぺらいヤツになってしまう。経営学は、そういうことも教えてくれている。

舟津 昌平 経営学者、東京大学大学院経済学研究科講師

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ふなつ しょうへい / Shohei Funatsu

1989年奈良県生まれ。2012年京都大学法学部卒業、14年京都大学大学院経営管理教育部修了、19年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了、博士(経済学)。京都大学大学院経済学研究科特定助教、京都産業大学経営学部准教授などを経て、23年10月より現職。著書に『制度複雑性のマネジメント』(白桃書房、2023年度日本ベンチャー学会清成忠男賞書籍部門受賞)、『組織変革論』(中央経済社)などがある。

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