半導体シリコンウエハに強い信越化学工業も減益見通しの中でベスト10位内を維持。そして95位から29位にジャンプアップとなったのがディスコ。半導体などの切断・研削・研磨装置で世界首位のメーカーだが2024年3月期は量産用途が苦戦で減益。ただ、新年度はAI半導体向けが貢献し利益が上向く見通し。このAI半導体向けへの期待が株価を押し上げているといえる。2月にエヌビディアが大幅増益のサプライズ決算を発表した際の株価感応度も抜群だった。
ほかに、半導体検査装置のアドバンテストが70位から38位に躍進。先端半導体向けマスク欠陥検査装置など展開するレーザーテックが75位から53位に上昇するなど、半導体関連の人気が目立った。
高配当も評価され銀行株も復活
銀行を中心とした金融機関も大手中心に時価総額を大きく膨らませた。銀行株は、日銀のゼロ金利政策解除が議論される中で利ザヤ改善への期待が高まった。また、減配しない高利回り銘柄という性格も評価されメガバンクは軒並み上昇。三菱UFJフィナンシャル・グループは時価総額2位の座を回復。三井住友フィナンシャルグループは14位から12位に上昇。みずほフィナンシャルグループも32位から26位に順位を上げるなど、上昇が続いた。
昨年後半に相次ぐ不祥事で調整もあった損保各社だが、年明けから高利回りが改めて評価され年度としては大きく時価総額が拡大。業績も火災保険の料率改定もありそろって増益となりそう。結果として東京海上ホールディングスは30位から21位へ、MS&ADインシュアランスグループホールディングスは74位から47位へ。ビッグモーター問題に揺れたSOMPOホールディングスも90位から65位への上昇となった。
高利回り組では総合商社も総じて堅調。7兆円を増やし16位から8位に上昇した三菱商事を筆頭に、いずれも市場の評価が上々だった。世界的な投資家のウォーレン・バフェットによる買い期待も根強かった。
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