メルカリ配送「新激安サービス」なぜ実現できた 大手の3割安、価格競争突入とも思われたが・・・

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メルカリの配送においては、コロナ禍の2020年、ヤマトが小型荷物の料金値下げでシェア奪取に動き、日本郵便の「ゆうパケット」が大打撃を受ける“事件”があったことは、物流関係者の記憶に新しい。

今回、メルカリ側は新サービスの開始についてヤマトや日本郵便に事前に伝えている。現状はスマリボックスを利用した荷物量がさほど多くないこともあり、両社ともまずは様子見の姿勢だ。

ただし、ヤマトの「らくらくメルカリ便」も同じくスマリボックスから発送できるサービスである。出品者からすれば、あえて高い送料のサービスを選ぶ理由はない。

置き配に同意する購入者が増えれば、エコメルカリ便の荷物も増えていくだろう(エコメルカリ便は購入者が置き配に同意した場合に利用可能)。なんらかの対抗策を打ち出す可能性もありそうだ。

運賃値上げが相次ぐ中「値下げ」の是非は?

この4月、物流業界は残業の上限規制によって、主に長距離ドライバーの人手不足が懸念される「2024年問題」に突入した。

宅配の分野で、直接残業規制の影響が生じるわけではないが、業務効率化が必要な面や、ドライバーや協力企業の待遇改善に向けて、荷主に対して運賃を上げていくなどの課題は同じだ。

メルカリは宅配分野で存在感を増している。現在、年間50億個(2022年度、国土交通省調べ)の宅配便取扱数のうち、5~10%を占めると言われる。しかも、流通総額は年間10%以上伸びているのだ。

そんなメルカリが投入した「エコながら非常に低価格」な新配送サービス。今のところ価格競争に突入する気配はないが、物流業界へ影響がどう波及するのか注視される。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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