ライバルのアリババや京東の業績が伸び悩むなか、拼多多はなぜ圧倒的なパフォーマンスを達成できたのか。
「近年、中国の消費者の間では『消費のアップグレード』に対する欲求が高まっている。それは、より多くのものを買うことでも、(我慢して)節約することでもない。より経済的かつ便利な消費方法を(賢く)選ぶことで、生活のクオリティを高めることだ」
趙CEOはそう述べ、消費者ニーズの変化にマッチした経営戦略を徹底したことが好業績につながったと分析した。
さらに趙CEOは、中国のライバルが低価格路線にこぞってシフトしていることに関して、「EC業界の競争の本質は、消費者の多岐にわたる需要をいかに理解し、満足させるかにある」と指摘。拼多多の競争優位の維持に自信を示した。
「Temuはまだ立ち上げ段階」
拼多多の事業のなかで、国内ECの躍進と並んで注目を集めているのが、急ピッチで拡大している海外市場向け越境EC「Temu(ティームー)」だ。2022年9月の事業開始からわずか1年半で、すでに50カ国・地域に進出を果たした。
「Temuはまだ立ち上げ段階にある。これから多くの環境変化や困難に直面するだろうが、新たなテクノロジーとビジネスモデルを積極的に模索していきたい」
拼多多の董事長(会長に相当)と共同CEOを兼務する陳磊氏は、Temuの現状について決算説明会でそう述べるにとどめ、詳しいデータは開示しなかった。
なお、越境ECに対して指摘されている(出店者による海外の知的財産権侵害などの)法的課題に関して、陳氏は次のようにコメントし、プラットフォーマーとして対応を強化する姿勢を示した。
「わが社は2023年にコンプライアンス委員会を設立し、社内の法令順守の状況とプロセスを改善し続けるとともに、(Temuが進出した)各国の政府の所管部門とコミュニケーションおよび協力を深めてきた。今後は越境ECの業界内で最高水準のコンプライアンス体制を目指す」
(財新記者:包雲紅)
※原文の配信は3月20日
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