「日経平均5万円」に向けて4万円台相場が始まった 4月1日からの1週間は波乱があっても慌てずに
2つ目は物価上昇を上回る賃金上昇の持続性だ。連合は2024年の春闘の賃上げ率を第1回集計で5.28%と発表し、第2回集計でも5.25%と高水準を維持した。また中小企業の回答も4.50%となっている。
とりあえず2024年度においては物価を上回る賃上げ率が実現しそうだ。さすがに2025年もこの高率が維持されるかはまだわからないが期待は高まっており、結果判明までのこれからの1年間は、株式市場にとっては少なくともネガティブ要因ではない。
また、国土交通省は3月26日に2024年の公示地価を発表したが、全用途の全国平均は前年比2.3%の上昇で、伸び率は平成バブル期以来、約33年ぶりの高さだった。株価や賃金に続き、土地価格にもデフレ脱却相場の波の広がりを見せている。
この間の日銀のマイナス金利解除は利上げ政策に他ならない。だが、解除後も日本の10年債利回りは0.7%台にとどまっている。「デフレ脱却・インフレ相場」の柱が、金利上昇で潤う銀行株だけでなく、金利に弱いイメージがある不動産・建設・鉄鋼株も堅調さを保ち、インフレ相場にそぐわない半導体系ハイテク株人気も持続している現在の相場は、きわめて下がりにくい体質を持っている。
さらにここへ小型グロース株の復調が加われば、もはや「鬼に金棒」だ。日経平均は2023年大発会の「2万5716円+1回目の上げ幅8037円×2倍=4万1790円」を目指し、一時4万1000円台となったが、2倍を達成すれば、次は3倍(約5万円)だ。毎回のセリフとなるが、しっかりと上を見つめてこの4万円台の相場について行こう。
1日からの1週間は波乱もありそうだが慌てずに
そうは言っても、われわれは1日1日の相場の中で暮らしている。今週は月初であり、新しい会計年度のスタートの週でもあり、重要な景気指標が日米でひしめく。
早速1日に発表される日銀短観、5日のアメリカ3月雇用統計を中心として、週を通して目が離せない指標の発表が続く。米欧の代表的株価指数が史上最高値圏にあることで波乱も起きやすいが、慌てずに上昇相場を見据えていれば、多少の波乱は相場の薬になると思っている。
(当記事は「会社四季報オンライン」にも掲載しています)
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