この弱点を補うように、もう1つ使われている数の数え方が「12進法」です。理由はシンプルで、12は3でも4でも割り切ることができるからです。これはあまり聞きなじみがない人が多いと思われますが、これも世の中のさまざまな場面で使われています。
まず代表的なものが、月日や時間の考え方です。午前午後はそれぞれ12時間のひとまとまりになっていますし、1年は12カ月とこれも「12」という数字が用いられています。それ以外にも、おひつじ座やおうし座などの12星座、子、丑、寅、卯…とみんなが唱える十二支など、「12」はあらゆる場面で登場する数字です。
12は約数が「1、2、3、4、6、12」ととても多く数字を分割しやすいため、主に時を表す際に10進数よりも多く使われていることがわかります。
英語が13から「~teen」とつく理由
このように12進法を日常生活で用いているのは、もちろん日本だけではありません。海外でも、1ダースが12個、1グロスが12ダース、1フィートが12インチというように、数え方の単位に「12」がたびたび登場しているのです。
「11」「12」は英語でそれぞれ「eleven」、「twelve」と言います。しかし、「13」は「thirteen」、「14」は「fourteen」です。これに違和感を抱いたことはありませんか? 基本的に10台を表す英語は「〇〇teen」であるのに、11、12だけは例外なのです。ここにも、12進法の考え方が反映されていると言われています。
数を表す言葉が「one、two、three、four、five、six、seven、eight、nine、ten、eleven、twelve」の12種類で、13種類目はないため、「teen」という新しい末尾をつけて表現しているのです。このように考えると、むしろ世界のほうがより12進法の考え方を用いていると言ってもいいでしょう。
ここまで「n進法」の考え方について、いくつかの具体例を挙げて紹介してきました。最後に、この「n進法」がビジネスやテクノロジーにはどのように役立っているのかを解説します。
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