「訪日旅行はバブルだ」星野リゾート代表が警鐘 オーバーツーリズムを放置すれば満足度落ちる
統合しないとブランドのスケールメリットを得られない。ブランド力が利益率などさまざまなところに響いてくる。気合いの入ったブランド戦略を徹底できるかが日本のホテルには問われている。
オーナーは短期的な目的で要望がくる。それらの要望に応えるところ、応えてはいけないところの線引きをする必要がある。例えば星野リゾートでは界は「じゃらん」、星のやは「楽天トラベル」のみと取引をしている。1つに絞ればよいリレーションを構築できる。
――星野リゾートは都市型のレジャーホテルブランド「OMO(おも)」や若年層をターゲットとしたホテルブランドBEB(ベブ)など最近はブランドを多角化しています。
われわれはニッチャー(市場規模は小さいものの特定分野で独自の地位を築く企業)から入った。星野リゾートはこれまで外資系が興味を示さない津軽、竹富島、トマムに日本人を呼び込み、業績を上げていった。
ホテルレストランの地位は相対的に下がった
今後は(差別化戦略でリーダーを目指せる)チャレンジャーになっていくために必要なのがOMOだ。都市部で勝てることができるのがチャレンジャーの条件だ。
その試金石となるのが2024年6月に開業するOMO7高知(レストランやウエディングを併設したホテル日航高知旭ロイヤルが前身)だ。2018年に開業したOMO7旭川の1月の稼働は85%を超えており、グランドホテル再生の方程式が見えてきた。
グランドホテルは1つの建物で宿泊・レストラン・婚礼・宴会の4つの事業をやっている。しかし宿泊客が結婚するわけではなく、4つの事業の間ではシナジーが利いていない。またホテルウエディングは1970〜1980年代が全盛期で、専門ブライダル事業者に奪われた。
またレストランも街場のレストランが美味しくなり、ホテルレストランの地位は相対的に下がった。宴会も少なくなってきている。4つの事業をどうやって再編するかが再生のキーポイントとなる。
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