そして「話が聞こえちゃったから、ぼくも反応するね」といった感じで、「へえー」とうなずいたりして、話題やその場の雰囲気になじむようにしてみてほしいんです。この「なじむ」ということが、かんたんに言うと、「いっしょの話題を話せる仲間になる」ということなのではないかなと、ぼくは思います。
表情だけでも会話はできる
どうしても「声をかけにくいな」と思ったら、近くにいてうなずいたり、表情で反応したりしてもいいんじゃないかな? それでも十分、「いっしょに聞いてくれてるんだな」と伝わりますから。
ぼくは以前、知っている言葉がまったく通じない人と話したことがあるんです。それは北極圏に住む「イヌイット」という民族の人なんだけど、お互いにまったく言葉がわからないのに、1時間ぐらいもりあがったんだよね。
話はわからなくても、相手が笑ったらぼくも笑う、みたいなことをしたり、ぼくが飲みものを飲んだら、相手も飲んで乾杯したり……。あるいは、イヌイットの言葉を言ってもらって、それをぼくがくり返すと、相手は「ちょっとちがうな」みたいな表情で、言葉を教えてくれようとしたりね。そんなことでも十分にもりあがれたのです。
つまり、人間というのは、言葉だけで会話をしているわけではないのです。表情やあいづちのような体の表現でも、十分に会話として成り立つこともあるんです。
それには、お互いに様子をよく見て、気を合わせたり、笑顔でいることを心がけたりすることが大切だけどね。
だから、「わたしもみんなといっしょにいるよ」という雰囲気を出せば、無理に話しかけなくても大丈夫だと思いますよ。
POINT 反応を返しているだけで話には加われる
<自分の気持ちを説明したいけど、うまく言葉にできない。正しくないかもしれないし、よくわからない>
<気持ちって、もともと伝えにくいものなんです>
気持ちって、目に見えないものですよね。ということは、形にできないものですし、言葉にするのもけっこう大変なんです。
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