キャンピングカー用品が地震などの災害現場へ 簡易トイレやポップアップルーフの活用に期待

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ここでは、これら災害時にも役立つ2つのアイテムをピックアップし、それぞれの特徴などを紹介してみたい。

トイファクトリー:ポータブルトイレ「クレサナ」

ジャパンキャンピングカーショー2024に展示されていたクレサナ
ジャパンキャンピングカーショー2024に展示されていたクレサナ(筆者撮影)

キャンピングカー・メーカーのトイファクトリーが展示したクレサナは、スイスを拠点とするクレサナ社が開発した新型ポータブルトイレだ。大きな特徴は、水を一切使わないこと。トイレ本体の内部にセットしたロール状のフィルムライナー(密閉式パック)が、使用毎に排泄物を自動密閉するため、いわゆる水洗を不要としている。

トイレ内部にセットされたフィルムライナー
トイレ内部にセットされたフィルムライナー(筆者撮影)
20240324-002.pdf
内部には凝固剤を入れ排泄物を固める(筆者撮影)
フィルムライナーを熱圧着し、密閉した様子
フィルムライナーを熱圧着し、密閉した様子(筆者撮影)

また、環境に優しいこともポイントだ。一般的なキャンピングカーなどに使われるカセット式トイレでは、ブラックタンクと呼ばれる排泄物を溜めるタンクを使う。タンク内には、排泄物を溶かす化学溶剤などを使うことで、臭いなどを防ぐ仕組みとなっている。一方、クレサナは、排泄物を溜めるフィルムライナーを熱圧着で完全密閉することで、臭いやバクテリアの発生を防止。溶剤や薬剤は不要だ。

しかも使用済みのフィルムは、各自治体の分別ルールにもよるが、家庭ゴミなどで簡単に処理することも可能。一般的なキャンピングカー用カセット式トイレの場合は、ブラックタンク内の排泄物を処理するのに苦労する。タンクを車内から取り出し、中の汚水を処理する(捨てる)必要があるからだ。自分のものとはいえ、汚水を扱うのにはやや抵抗のある人も多いことで、結局は使わないユーザーも多い。

圧着されたフィルムライナーをそのまま捨てるだけなので処理も簡単
圧着されたフィルムライナーをそのまま捨てるだけなので処理も簡単(筆者撮影)

対して、クレサナであれば、圧着したフィルムライナーを本体下部から取り出して捨てるだけと簡単だ。しかも、あらかじめ投入している凝固剤が排泄物を固めているため、汚水を触っている感覚もなく、気軽に処理を行える。

また、フィルムライナーは用途に応じて使用する長さを変えることが可能。圧着した状態を大便用の「大」、小便用の「中」、子ども用の「小」といった大きさに変えられる。排泄物の量などに応じて使えるため、無駄なフィルム量を使わず経済的だ。なお、1本のフィルムライナーは平均36回分。使用後のフィルムライナーは本体に約8回分をストックすることができる。

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