関心が高まる米国ハッカー対策企業、その人事、就職事情とは?
極秘情報、個人情報の漏洩で、評判と業績を落したソニー。プレイステーション・ネットワークの情報流出事件の直後、セガの英国子会社の顧客データベースや米シティバンクのオンライン・ネットワークがハッカー集団に次々と攻撃された。大企業のコンピュータ・ネットワークだけでなく、個人のパソコンを襲い、銀行口座、クレジットカード番号、パスワードなど個人データを盗む事件が相次いでいる。
ワシントンD.C.にある銀行でセキュリティ部部長のジョッシュは「1日に1000件以上のハッキング行為がある。それも米国内からでなく、中国、ウクライナなどからのハッキングが増えている」と言う。
最近のサイバー攻撃は組織化され、大規模なビジネスになり、巧妙な手口を使うようになっている。同時に、パソコン、ゲーム機、タブレット、スマートフォンとモバイルを含む多様なデバイスが、世界で急増している。スウェーデンのIT企業エリクソンは1年前はネット接続デバイスが10億台だったが、2020年には5000億台に増えると予測する。
ネット世界の拡大で、それに乗じた犯罪もますます増えるばかり。重要な資産である情報資源を守るため、企業や個人のセキュリティ対策の重要度は、いっそう高まっている。そこで、アメリカのハッカー対策企業の人事、就職事情を取材した。
社員5000人以上を抱え、50億ドル以上の売り上げを誇るシマンテック。同社の本部はアップルのあるクパチーノ市だが、世界38カ国に拠点がある。7月の求人だけを見ても、米国内だけでなく、インド、アイルランド、カナダ、日本ほかでエンジニア、アナリスト、財務、社員教育のトレーナー、マーケティング・スペシャリストなどを募集している。
シマンテックの人事部は全世界の人員計画、企業買収などの経営のすべてに参画するが、給与、福利厚生、組織開発、トレーニング、採用、人員配置などももちろん担当している。