連想したのは、トヨタのクラウン4姉妹(自動車はラテン系の言語では女性名詞なのであえて“姉妹”とする)だ。
セダン以外の「クラウンクロスオーバー」「クラウンスポーツ」「クラウンエステート」は基本的なプラットフォームを共用し、少しずつ異なったボディスタイルを持つ。ベーシックなコンセプトを共通させた“差異化戦略”である。
“ミニ的なキャラクター“はどちらにも
BMWとミニは、このところ新型車を発表すると、内燃機関と電動車をともに設定している。理由は、施行が控えている厳しい排ガス規制「ユーロ7」への対応のため。
印象的なのは、かつてのように「BEVだから」と、走り出しのトルク感をことさら強調するような“演出”がないことだ。エンジン車もバッテリー駆動車も、ほとんど同じような乗り味にしている。
別の言い方をすれば、パワートレインに関係なく、ミニに乗ってきた人ならなじみのある、“ミニ的なキャラクター“がきちんとそなわっているということだ。
極端にいうと、モデルによってはパワートレインがエンジンなのかバッテリーとモーターなのか、区別がつかないぐらい。
はたして新型カントリーマン、乗ったのは233kWの最高出力と400Nmの最大トルクを発生する1998cc4気筒エンジンに全輪駆動システム(ミニは「ALL4」と呼ぶ)を組み合わせたジョンクーパーワークスと、225kWと494Nmのバッテリー駆動のSE(こちらもALL4)。
ともに、シリーズ中もっともパワフルなモデルだったこともあるのだろうか、加速感、キレのいいステアリング、それに硬めだけれどしなやかに動くサスペンションシステムによるハンドリングなど、基本的なドライブフィールにはかなり近いものを感じた。
もちろん、モーターとエンジンでは出力特性がまったく違うので、走り出しからずっと、アクセルペダルの踏み込みに対してスムーズな加速感がほしいならバッテリー車がいいだろうし、ぐーっとトルクが増していく従来のエンジン車のフィールが今も大好きなら、ジョンクーパーワークスのほうがよい。
ジョンクーパーワークスに乗って改めて感じたのは、大人っぽいというか、SUVとして見た場合の洗練度が上がったことだ。このところのミニのトレンドに乗っかって、かつてのように車体がほとんどロールしないような足まわりの設定ではなくなっていて、素直な動きが気持ちよい。
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