FIFA、"陽気な小悪党"が生んだ汚職の構造

なぜ14人の関係者が起訴されたのか

6月2日に辞意を表明したブラッター会長。だが、辞意を撤回したとの報道も出ており、今後の行動が注目される(写真:ロイター / アフロ)

サッカー界の総本山は、うわさどおりの伏魔殿だった。国際サッカー連盟(FIFA)のことである。

事の発端は5月27日、米司法省が現職の副会長を含むFIFA関係者やマーケティング会社幹部など計14人を、贈収賄などの罪で起訴したことだ。同月29日の会長選で5選を果たしたゼップ・ブラッター会長は捜査対象に含まれていないが、6月2日に突如辞意を表明。その後も、捜査当局が関係先の家宅捜索に入るなど、事態は今も動いている。

"陽気な小悪党"の集まり

そもそもFIFAとは、いかなる組織なのか。象徴的なエピソードがある。

「サッカーは世界一人気のある庶民的なスポーツ。FIFAは世界のサッカーファンがテレビで試合を楽しめるよう配慮しているのだ」

サッカーのワールドカップ(W杯)のテレビ放映権料が五輪と比べて格段に安かった時代、その理由を聞くと、多くのサッカー関係者は誇らしげにそう話していた。

だが、それは事実でなかった。ただ単に、FIFAはスポーツビジネスに無知で、先にビジネスに目覚めたIOC(国際オリンピック委員会)に後れを取っていただけだった。

1990年のW杯イタリア大会で、日本のスポンサー用のチケットを譲り受けるためローマに渡った、大手広告代理店の関係者は証言する。「イタリアではマフィアが相手で、こちらは何千万円もの現金が入ったアタッシェケースを持って指定された場所へ行き、チケットが入ったケースと交換。それを盗まれないよう手錠で手首につないで持って帰る取引だった」。

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