実質GDPについても、生涯リターン(成長率)と学生時(13~22歳)リターン(成長率)を比較すると、株価のリターンとは異なる結果となった。
コロナ禍からの反動増による一時的な成長率の改善を除くと、年齢が低いほど低迷が続いていることがわかる。
むろん、株価は景気の先行指標であることから、今後、実体経済についても結果がついてくることが期待されるが、まだ時間がかかりそうである。
株価は成長を示唆しているのか、将来不安の反映か
両者の乖離の背景を考えることも重要だろう。
株価の上昇が今後の国内経済の成長を示唆するものなのか、金融緩和や円安による一時的な動きなのかを見極める必要がある。仮に一時的な動きであっても、それを国内経済の成長につなげていけるかどうかが重要とも言える。
幅広い世代で投資に対する関心が増えていることは実感できるが、最近では政府も老後に向けた「自助」の必要性を訴えているように、将来不安が高まっているからこそ「投資」に関心が高まっている面もありそうである。
株式市場に注目が集まっている背景も多様化していることが予想され、経済活動において前向きな世代が増えていくのかどうかについては、慎重にみていく必要もあるだろう。
総じて言えば、「貯蓄から投資へ」の後に「貯蓄から投資も消費も」につながるかどうかが重要である。
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