「会うことに疲れた」35歳女性が陥った"婚活うつ" 「頑張った人が報われるとは限らない」のが現実

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筆者は、こずえに言った。

「『蛙化現象』という言葉にとらわれていると、思考がどうしてもそちらに引っ張られてしまいます。それに、婚活は蛙化現象を起こしやすい出会いなんですよ」

なぜかといえば、婚活は最初の選別を1枚のプロフィールシートでする。そこに記されている情報を見て、“この人となら結婚したい”と合格点を出した相手に会いにいく。

“婚活は、加点法でお相手を見ないといけない”とは、よく言われることだが、最初にプロフィールの情報が頭に入っていると、リアルな本人を目の前にしたときに、どうしてもその情報とリアルな本人を比べてしまい、自然と減点法になっていく。

「年収が高いのに、割り勘なんてケチだわ」「スーツのときはかっこよかったのに、私服がダサダサ」などなど。

こずえも然りで、理想の王子だと期待していた相手の話がつまらなかったり、食べ方が汚かったり、その相手から触られたときに悪寒が走ったら、王子様が一気にカエルになってしまうのだ。

蛙化現象を起こしやすいのは、男性も女性も深い恋愛をしたことがない人に多い傾向にある。

完璧な人間などいない。男女の付き合いが長くなれば思いやりも育つので、ダメな部分もかっこ悪い部分も受け入れることができるようになる。ところが、浅い恋愛しか経験したことがない人は、相手を表面的なことで判断しがちだ。

ことに婚活での出会いは、2人に付き合ってきた歴史がないのに、“この人とは結婚できるのかどうか”というジャッジを常にしながら相手を見つめているので、嫌なところが見えると気持ちが一気に冷めてしまう。

蛙化現象を起こしやすいこずえのようなタイプは、相手の表面よりも内面を見るように心がけてみたらどうか。口がうまくて女性を上手にエスコートできるハンサムよりも、無骨でも責任感のある男性の内面にフォーカスして考えてみる。

かっこ悪い部分も愛せる感情を自分の中で育てていくようにしたら、八方塞がりだった婚活が、スルッとうまくいくようになるのではないか。

努力が実るとは限らない

ますみ(41歳、仮名)は、婚活を始めて10カ月が過ぎた。月に2、3人のペースでコンスタントにお見合いをし、交際に入った相手も何人かいたのだが、真剣交際に進める相手には出会えずにいた。

「婚活を簡単に考えていましたが、結婚できる相手に出会うのって、なかなか難しいのですね」

努力したからといって、それが実るとは限らないのが婚活だ。ますみの場合は、お見合いが成立しても、相手がなかなか日程を出してこなかったり、交際に入っても次のデートが決まらなかったり、デートの日程が決まっても相手が会う店を丸投げしてきたりと、動けない男性にばかり当たってしまった。

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