だから日本の母親は、働き続けられない 必要なのは保育施設よりマネジャーの理解

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――たとえば、保育園が見つからない人にはどう対応を?

話をまず聞き、住んでいるところや勤務先のコミュニティ、その人が持っている人間関係からソリューションがないかを考える。会社が提携しているサービスを一緒に探すこともある。能力ある女性にはベビーシッター代を出す企業もありますから。

保育施設よりマネジャーの理解

女性の復職支援だけでなく、マネジャーの教育も私どもに期待されている。保育施設があればすべての問題を解決できるわけではなく、むしろマネジャーの理解と支援のほうが、大事なことも多いからだ。特に男性は、部下の女性が妊娠したら、びっくりしてがっかりするのではなく、戦力としてどう活用していくかを考えていかないといけない。

日本の場合、通勤時間が長く、電車が混んでいるのが非常に問題だ。お母さんは赤ちゃんを連れて電車に乗らない。会社に託児ルームがあっても、連れて行くことができない。そのうえ、長時間労働だと子どもと接する時間が短くなってしまう。通勤時間が長くて子どもに会う時間が少ないとなれば、働き続けない選択をするのは当然ともいえる。また、税金の仕組みがパートタイムの女性を増やすような仕組みに見える。

――米国ではどのような問題が多いですか。

保育費用が高額なこと。子どもが小さいときほど高額になり、ノースカロライナでは、4年間にかかる費用は大学と同じか、それ以上かもしれない。保育ママや無認可の施設に預けることも選択肢に入ってくる。米国では自宅で子どもの面倒をみることができる資格があり、そういった専門家を頼むケースもある。

――日本企業へのアドバイスを。

柔軟性のある経営を、というのが結論だ。在宅、フレックス、短時間勤務など、有能な女性を会社に引き留めるにはこうしたことをやっていかないと。経済力を支えるにも、女性の力なしにはありえないのだから。

高橋 志津子 東洋経済 記者

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たかはし しづこ / Shizuko Takahashi

上智大学法学部国際関係法学科卒。東洋経済新報社に入社後は、会社四季報、週刊東洋経済、ムック、東洋経済オンラインなどさまざまな媒体で編集・執筆を手掛ける

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