スバルが中国進出で苦心、「最後発」ゆえの悩み

スバルが中国進出で苦心、「最後発」ゆえの悩み

「目玉を公表できなくて、本当に申し訳ない」。7月6日、向こう5年間の新しい中期計画を発表した、富士重工業(スバル)。席上で吉永泰之社長は、報道陣にそう切り出した。

新しい計画は意欲的だ。2015年度に世界販売90万台、営業利益1200億円を目指す。富士重は10年度に、過去最高の65万台を販売、営業利益841億円を稼いだ。軽自動車の生産からは撤退を表明する一方で、「レガシィ」をはじめとした主力3車種をことごとく大型化し、北米市場に的を絞った戦略が的中。今回はさらなる上乗せで、北米一本足の収益構造から脱却を図る。

その中心となるのが新興国戦略だ。マレーシアでは現地工場と組み、日本から主要部品を送るノックダウン方式で、12年秋から年約5000台の委託生産を始める。そして世界最大市場の中国では、15年度までに18万台(10年度6万台)へ3倍増を狙う。

だが“目玉”となるはずの中国戦略は遅れている。富士重は新興メーカーの奇瑞汽車と合弁で、大連市に生産能力15万台程度の新工場を建設する方向で調整中。現在は日本からの輸出で対応するが、25%の関税がかかるため、一層の拡大には現地生産が必要だった。奇瑞とは販売面でも協力体制を敷く方針である。当初は10年末にもまとまる見通しだったが、結局、今回も発表できなかった。

これは奇瑞というより、中国当局との折衝が難航しているようだ。中国プロジェクトを統括する森郁夫会長は、「最後発ゆえの苦労がある」と吐露する。

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