齋藤飛鳥が語る「ヒーロー」は意外な人物だった 乃木坂46を卒業して、生活はどう変わったのか

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「力みすぎることなく、自然体で挑戦できたのは、皆さんのおかげです。女優というよりも人としていろんなモノを見つけたり吸収することができたので多少は成長した数カ月になったのではないかなと思います。アイドルを卒業してから初めて参加した作品で、乃木坂の事を意識せずに一人でやっている感じが初めてだったので、今改めてそういう目で見られるんだと思うとちょっとドキドキします(笑)。そんな心情で挑んだ大事な作品になりました。グループじゃない私を起用していただいたのはありがたく、貴重な卒業後第1作だったなと思います」

齋藤飛鳥が語る真のヒーローとは?

映画『マイホームヒーロー』にちなみ、彼女が尊敬するヒーローについて尋ねると、迷うことなく「お母さん」と答えた。

齋藤飛鳥
(撮影:長田慶)

「私の母はミャンマー人で、父は日本人です。母は非常に明るく、人懐っこい性格で、すぐに人々を引き寄せ、周囲を明るくする力があります。私にはない特質なので、本当に素晴らしいと思います。しかし、尊敬する最大の理由は、母が外国から日本にやってきて、まったく新しい環境で働き、私を育て上げたことです。想像以上に孤独だったでしょうが、一生懸命に私を支えてくれました。私が乃木坂に加入するという幸運に恵まれたときも、ずっと支え続けてくれました。愛情深く、どんなときも素晴らしい人です。母は私にとって、どこをとっても本当のマイヒーローです」

彼女の人生における強さと支えは、愛情深い母親から来ている。母の愛と支援が、どんな困難も乗り越える力を与えてくれた。

そんな齋藤飛鳥が描く将来の理想像とは。

齋藤飛鳥さん
(撮影:長田慶)

「グループ時代にさまざまな経験を積んだおかげで、特定の役や監督と仕事をしたいという具体的な目標を持たずに来ました。ですが、一人の俳優として『マイホームヒーロー』のような素晴らしい作品に関わらせていただけることに、大変感謝しています。私にできる役割を全うできる機会があれば、それを見つけて全力を尽くしたい。自分の欲求よりも、求められることに応えることを重視しています。

ただ自分のために努力するのではなく、周りの人々のためにも努めることを大切にしています。時には一人で頑張る孤独感がつらくなります。しかし、家族や友人、ファンの期待に応えたいという思いで頑張ることで、よりポジティブに取り組めるようになりました」

その瞳には、未来への明るい道標が宿っているかのように感じた。

齋藤飛鳥は、過去の経験と学び、そして出会った人々への深い感謝を胸に、新しい物語のページを開いている。

スタイリスト:市野沢 祐大(TEN10) ヘアメイク:秋鹿裕子(W)

池田 鉄平 ライター・編集者

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いけだ てっぺい / Teppei Ikeda

Jリーグ、国内、外資系のスポーツメーカー勤務を経て、ウェブメディアを中心に活動。音楽一家で育ち、アーティストとしてインディーズでアルバムリリースも経験。スポーツ、音楽、エンタメを中心に取材活動を行っている。

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