社内で繰り返される「伝言ゲーム」で起きる大混乱 業務効率が悪い人に教えたい効率化スキル5つ

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以上、「4つの業務効率化スキル」を紹介した。人手不足の根本的な改善策が見当たらない中、業務効率化を意識的に取り入れることで、1人ひとりが精神的に追い込まれず、成果につなげてもらえたら筆者も嬉しく思う。それが「ウズウズ働く」ことにつながると考えている。

⑤とりあえずで仕事を受けない

最後に、もう1つだけ。すべての業務効率化の土台になる超重要な5番目のスキルをお伝えしよう。

それは、仕事の依頼があった際に「とりあえず受けない」ことだ。これは「仕事の依頼を断れ」ということではない。

例えば、チャットでもメールでも電話でも、誰かからタスクを振られたときに「詳しい内容は後から確認すればいい」という姿勢でいったん受けてしまうと、納期が近づいて着手した際に「あれ?これ何すればいいんだっけ?どうなっていれば完了なんだっけ?」という状態になってしまい、再度依頼者に確認しなければならなくなる。

大体の仕事の依頼は依頼者側もそこまで整理できていない状態で依頼しており、「いつ」「誰が誰に」「何を」「どうする」「どうやって」という基本的な情報が漏れていることが多いものだ。

いざ取りかかろうとしたときになって初めて詳細がわからないことに気づくと、発注者に確認する作業から始めなければならなくなるので、最初に依頼された段階でできるだけ次のような情報は確認しておこう。

<仕事を依頼された際に確認すべきこと>
・目的は何なのか?(何の成果に紐づいている、どのくらい重要な作業なのか?)
・作業のゴール設定は何なのか?(どんな状態になっていれば「完了」なのか?)
・いつまでにやればいいのか?
・どのような作業と関連しているのか?(前工程、後工程の把握)
・誰と連携して行う作業なのか?(他者と連携が必要な場合)
・具体的にやるべきこと(やるべきことを洗い出し、抜け漏れがないか確認)

など

依頼者に「情報に抜け漏れがない状態で依頼してほしい」と文句を言っても何も変わらない。そうではなく、タスクを受け取った時点で自分が内容を整理し、情報の漏れがあれば相手に質問を投げておく。そして、手元のタスクは整理した状態で格納しておく。こうすることが自分の作業効率を格段に上げる秘訣だ。

人生と同じく、日々の業務にも「余白」がなければ新しい機会は生まれない。年度末を迎えるこのタイミングで業務効率化スキルを少しでも実務に活かしてもらい、余白がある状態で新年度の新しい機会を掴み取ってもらいたいと思う。

川畑 翔太郎 UZUZ COLLEGE(ウズウズカレッジ) 代表取締役

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かわばた しょうたろう / Shotaro Kawabata

1986年生まれ、鹿児島出身。高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻。大学卒業後、住宅設備メーカーINAX(現・LIXIL)に入社。1年目からキッチン・洗面化粧台の商品開発に携わるも、3年目に製造へ異動し、毎日ロボットと作業スピードを競い合う日々を送る。高校の同級生の誘いと自身のキャリアチェンジのため、「UZUZ」立ち上げに参画。第二新卒・既卒・フリーターといった20代若者への就業支援実績は累計2,000名を超える。2024年よりIT/DX分野の教育研修事業「ウズウズカレッジ」を分社化し代表取締役に就任。就活メディアはこちら、X(旧Twitter)はこちら、YouTubeはこちら

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