ドミノピザ「鼻ほじ」バイトテロ騒動から得る教訓 バイトに倫理観を求めるのが間違っているのか…?
ただ、現実問題として、そもそも正規雇用ではないアルバイトに、「企業人としての矜持」を求めるのは無理がある……と言ってしまうと、真面目に働いている多くのアルバイトの方々から「自分はしっかりやってるよ!」「その場のノリで不衛生な行為をしてしまうのは、『企業人としての矜持』よりずっと手前の話ではないか?」などとお叱りを受けそうだが、もちろんそういう人たちまでとやかく言う意図は一切ない。ただ、世の中には、しっかりしていない人もいるという話だ。
またSNS監視などの従業員チェック体制を、正社員と同等レベルまで高めるとなれば、コスト面から「わざわざバイトとして採用する必然性があるのか」となりかねない。各種事案の「ダメな理由」と「やらかした場合の社会的制裁」に気づいてもらうほうが圧倒的に近道だ。
ドミノ・ピザはスピード対応していた
企業のリスクマネジメント体制を構築するうえでは、法的な問題点だけでなく、SNS炎上などの倫理観も、常に意識しておく必要がある。その点、ドミノ・ピザ ジャパンは、「鼻ほじ」事案の発生防止こそできなかったものの、事態把握と経緯説明、社内処分など、これまで類を見ないスピード感で発表までこぎ着けた。
深夜2時に撮影された動画は、その日の午後にX(旧ツイッター)へ転載され拡散・炎上する。そして謝罪文が投稿されたのは22時台と、発生当日のうちに区切りを付けているのだ。
この初動の俊敏さは、今後のモデルケースになるだろう。動画投稿の数十時間後には、早くも法的措置の可能性に言及し、その翌日に解雇。「やらかした場合の社会的制裁」を知らしめるうえでの抑止力になるのでは……と感じるが、そうした筆者の予想もまた、オトナ視点の「甘い考え」なのかもしれない。
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