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インフレでも「上がらない家賃」の裏に日本の宿命 「家賃は手取り収入の3割が目安」と言うけれど

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  • 末廣 徹 大和証券 チーフエコノミスト
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サービス物価のうち公共サービスは、需給バランスやインフレ予想の変化では動きにくい。しかし、民営家賃や持ち家の帰属家賃のインフレ率がほとんどゼロとなっている状況は日銀にとっても想定外だろう。

むろん、家賃は毎月更新されるものではなく、価格変化は他の品目にかなり遅れる傾向がある。それでも、日本でもインフレ率が高まり始めて約2年経つ中、ほとんど動きが沈黙している現状を予想できた人は多くないだろう。

アメリカでは全体のインフレから約1年弱のラグをもって動く傾向が続いている。

日本の家賃インフレの弱さは構造要因である可能性が高い。

「9年ぶり高水準」でも変化率は沈黙

日本経済新聞は2023年12月8日に、「『横ばい』家賃に上昇圧力 都区部、9年ぶり高水準」との記事を配信し、「都市部を中心に賃貸住宅の需要が高まっているほか、資金も流入」とした。この背景に、「簡単に上がらないとされていた家賃が動き始めた」という見方があるという。

もっとも、やや上振れている都区部家賃でも前年同月比はゼロ%台前半であることには変わりはない。「9年ぶり高水準」なのは事実なのかもしれないが、安定した価格上昇とは程遠い状況である。

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