「東大受かってほしい」綺麗事じゃない先生の本音 「志願者数増えるから合格してほしい」はあり?

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いかがでしょうか?

緊張している受験生にとって、プレッシャーを与えることは悪手です。ですから先ほどの「俺がボーナスをもらえるからお前は頑張れ」というのはよくない言葉だと言えます。

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でも、「学校と俺のために頑張ってほしい」という本音は、相手を大人だと認めている言葉だと思います。

「自分のためだけに頑張ってくれ!俺たちのことは考えなくてよいから!」というのは、子供に対して配慮した態度だと思いますが、「子供扱い」した言葉だと思います。本気でぶつかっているというよりは、オブラートに包んで相手に接しています。

相手を子供扱いしない、先生の本音

それに対して、先ほどの「先生の本音」は、相手のことを大人だと思っているコミュニケーションです。

また、「自分のためだけに頑張れ」と伝えるとして、それは嘘になってしまう可能性だってありますよね。本当は学校や先生のボーナスがかかっているにもかかわらず「俺はお前のためだけに助けているんだ」というのは、嘘を含んでいます。

そして、子供は意外と大人の嘘に敏感です。その嘘をわかったうえで接していることもあります。そんな中で、嘘をつかずに真っ直ぐ本音を伝えた先生の言葉が、その受験生には刺さったのではないでしょうか。

この時期、受験生との接し方を悩む人は多いと思います。でも、どんな結果になったにせよ、受験は受験生のことを大人にしてくれるキッカケです。ですから、相手を大人だと思ってあえてコミュニケーションを取るのもアリかもしれませんね。

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西岡 壱誠 現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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にしおか いっせい / Issei Nishioka

1996年生まれ。偏差値35から東大を目指すも、現役・一浪と、2年連続で不合格。崖っぷちの状況で開発した「独学術」で偏差値70、東大模試で全国4位になり、東大合格を果たす。

そのノウハウを全国の学生や学校の教師たちに伝えるため、2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立。全国の高校で高校生に思考法・勉強法を教えているほか、教師には指導法のコンサルティングを行っている。また、YouTubeチャンネル「スマホ学園」を運営、約1万人の登録者に勉強の楽しさを伝えている。

著書『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』(いずれも東洋経済新報社)はシリーズ累計40万部のベストセラーになった。

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