年700杯ラーメン通の「2024年トレンド&注目店」 キーワードは「麺の時代」「淡麗塩」「原点回帰」

拡大
縮小

とりわけ、ラーメンの場合は、年半ばに誕生した1軒の新店ラーメンが大ヒットし、新たなトレンドの起爆剤となる場合がままある。これがトレンド予測の難しさに拍車をかけている。

記憶に新しいところだと、三鷹の「元祖スタミナ満点らーめんすず鬼(2019年オープン)」が開発した「スタ満ソバ」がそうだ。この「スタ満ソバ」のブレイクによって、数多くのラーメン店が、後に続けと言わんばかりに同品をインスパイアした1杯を提供するようになった。

しかも、ラーメン店の新規開業軒数は、他グルメのそれとは比較にならないほど多い。ゆえに、上記のような事態が頻繁に発生するのだ。

3つのキーワードに集約される今年のラーメントレンド

と、このように、ラーメントレンドに関しては不確定要素が多過ぎるため、いくら頭を悩ませて予測しようとしても、無意味であることが多い。預言者でもない限り、その年にブレイクするラーメンを確実に言い当てることは不可能だ。

が、そういう諸々を飲み込んだ上であえて予想すると、私は「麺の時代」「淡麗塩」「原点回帰」、2024年のラーメントレンドは、これら3つのワードに集約されるのではないかと思う。

「だしと麺 遊泳」のラーメン
「だしと麺 遊泳」では「細」と「中太」のこだわりの麺を提供(画像:OCEANS編集部)

麺にこだわったラーメン、うま味がクリアな塩ラーメン、そして、昔懐かしさを感じる素朴なラーメン。この3タイプのラーメンが、今年、大きく羽ばたくということだ。

ラーメンの世界においては、ここ10~20年の間に、スープの研究・開発が飛躍的に進み、もはや、スープのクオリティだけで他店との差別化を図ることは困難な状況となった。

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT