マスクがついに「人間の脳」に埋め込んだもの ニューラリンクが初の脳インプラント臨床試験

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マスク氏は2022年11月、6カ月以内に臨床試験が開始されると予測した。ニューラリンクは当時、製品の実効性を示すために、脳を使ってコンピューターカーソルを動かしているとされる2匹のサルの動画を公開していた。この技術は、15年以上前に人間に適用可能なことが明らかになったものだという。

昨年5月に米FDAが臨床試験を承認

マスク氏は自社について楽観的な予測を行うことが多く、成果が出ていないものも少なくない。が、ニューラリンクは昨年5月に食品医薬品局(FDA)から臨床試験の承認を受けた。

同社のウェブサイトは、頚髄損傷または筋萎縮性側索硬化症(ALS)によって両手の使用が限られている、もしくは不可能な人々を対象に「最初の臨床試験参加者の募集を行っている」と述べている。ALSは神経細胞に影響を与える神経疾患だ。

「この研究では、動作を計画する脳の部位に外見ではわからないインプラントを施します」と、ニューラリンクのウェブサイトには記されている。「このデバイスは人の神経活動を読み取り、動かそうと思うだけでコンピューターやスマートフォンを操作できるよう設計されています。配線や物理的な動きは必要ありません」

2022年後半に行われたニューラリンクのプレゼンテーションでマスク氏は、最終的に同社のデバイスは目が見えない人の目を見えるようにしたり、脊髄が切断された患者に「全身機能」を与えたりできるようになると述べた。このときのマスク氏の主張に対しては、科学はまだそのような進歩を遂げていないと、専門家から懐疑的な意見も出ている。

(執筆:Ryan Mac記者)
(C)2023 The New York Times

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